生理中にクラクラしたり、やる気が起こらなくなってしまったりといった症状に悩まされる女性は少なくありません。その症状を引き起こしている原因として考えられるのが貧血です。
突然の貧血に見舞われると、転んで怪我をしてしまうかもしれませんし、普段なら簡単なはずの仕事や家事をこなすことも難しくなります。子育て中の方にとっても、貧血は天敵といえる存在になることでしょう。
またふらつきや昏倒ほどの顕著な貧血症状が出ていない場合でも、実は貧血気味が原因で起きている生理中の不調は多くあります。
それでは、なぜ生理中に貧血の症状が出やすくなるのでしょうか。貧血の原因というと鉄分不足が思い浮かびますが、実は鉄分不足以外にも貧血になってしまうケースがあるのです。貧血を防ぐためには、貧血になる原因を知り、正しい対策をすることが重要です。
今回は貧血のメカニズムについて詳しく触れ、生理中に貧血に悩まされることが多くなる原因に迫ります。そして、貧血にならないための予防法についても解説し、生理中でも健康に過ごすための方法を紹介します。
生理中の貧血を予防するためのカギを握っているのは食生活です。貧血を防ぐために役立つ成分と、それを多く含んだ食材を使った具体的なレシピについてもお伝えします。貧血予防のために避けるべき食生活についても紹介するので、ぜひお役立てください。
生理中に貧血になりやすい原因
生理が始まると、「だるい」「つらい」「朝起きられない…。」などの症状が出る人もいるでしょう。もしかすると、体調不良の原因は貧血にあるのかもしれません。
貧血とは、血液中の赤血球(ヘモグロビン)の量が、正常値よりも少ない状態のことをいいます。赤血球にはヘモグロビンというタンパク質が含まれていて、血液を通じて体内に酸素を運ぶ役割を果たしています。その赤血球や、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなると、酸素が十分に供給されなくなり、めまいやだるさ、頭痛などの症状となって現れてくるのです。
では生理中に女性が貧血に悩むことが多いのはなぜでしょうか?その理由は、女性が生理中に経血と一緒に鉄分を失って、ヘモグロビンを生成しづらくなることにあります。ここでは、女性が生理中に貧血になりやすい理由について詳しく解説していきます。
女性が貧血になりやすい理由
貧血というと、男性よりも女性のほうがなりやすいという印象があります。女性が貧血になりやすいのは、毎月の生理に伴って出血するからです。
生理による出血の量は毎月20ml~140ml、平均で40ml前後といわれています。毎月の出血量がわずかだったとしても、注意が必要です。例えば、疲れやストレスが溜まっていたり、忙しくて十分な食事がとれなかったりすると、失われた分の血液を体が作ることができなくなります。その結果、貧血が起こりやすくなるのです。
生理による出血が原因で起きる貧血を「鉄欠乏性貧血」といいます。これは、出血に伴って鉄分が不足することで起こる貧血のこと。鉄欠乏性貧血は、すべての貧血のうち約90%を占める代表的な貧血です。

過多月経は貧血にも注意
子宮筋腫の影響などで、生理中の出血量が140mlを超えるほど量が多い過多月経(かたげっけい)の人は、特に貧血を起こしやすい傾向にあります。子宮筋腫を経過観察にするか、治療するかを判断する際も、貧血があるかどうかをポイントにしていることが多いです。
突然倒れてしまう貧血とは異なり、めまい、だるさ、頭痛などの不快な症状があらわれた場合、女性特有の生理に関わる貧血の可能性があります。
過多月経の原因としては、前述した子宮筋腫のほか子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮体癌、子宮頸癌などが挙げられます。過多月経の方は貧血に対して注意することに加えて、婦人科でこれらの病気の有無について調べることもおすすめします。
女性に必要な鉄分の摂取量と生理で失われる鉄の量
生理中の女性は、月経によって毎月一定の血液量を失うことになります。そのため女性は、生理による出血がない男性よりも多くの鉄分を補給しなければなりません。鉄分が不足すると、貧血を招きやすくなるほか、爪が割れやすくなったり、肌が荒れたりといった症状も現れてしまいます。
では具体的に、生理中の女性は1日あたりどのくらいの鉄分量を摂取すべきなのでしょうか。
「食事摂取基準|厚生労働省(2020年)」には、女性が月経血による鉄損失を補うために必要な鉄摂取量の推定値が記載されています。これによると、鉄損失を補うのに必要な鉄摂取量は1日あたり、10〜17歳の女性で3.06mg、18歳以上の女性で3.64mgとなっています。
なお妊婦は、妊娠初期・中期・後期でそれぞれ鉄の必要量が変わってくることにも注意が必要。妊娠中の女性はお腹の中の赤ちゃんを育てるために、通常時よりも鉄の必要量が上がるのです。
同資料によると、鉄損失を補うために1日あたりで必要な鉄量は妊娠初期で0.32mg、妊娠中期で2.68mg、妊娠後期で3.64mgです。ただし実際には、摂取した鉄分全てが吸収されるわけではなく、体質や妊娠の時期などによって鉄の吸収率が変わってきます。
そのため妊婦に推奨されている不足した鉄分を補うために必要な摂取量は、妊娠初期で2.6mg、妊娠中期で8.0mg、妊娠後期で10.9mgです。妊娠中で鉄分が不足しやすい女性は、これらの数値を目安に食事を調節していくといいでしょう。
蛋白不足による「非鉄欠乏性貧血」とは?
生理による貧血の大部分は鉄欠乏性貧血です。これは月経により経血とともに鉄分が失われて、血液中のヘモグロビンを生成しづらくなることが原因でした。貧血は血液中のヘモグロビンが不足している状態を表すので、月経の出血で鉄分が失われると、ヘモグロビンが不足して貧血になりやすいということですね。
しかし女性の貧血は、鉄不足以外でも起こることがあります。それがタンパク質不足を原因とする「非鉄欠乏性貧血」です。この場合、体内の鉄を増やす鉄剤を服用したとしても、貧血症状を改善することができません。
体内に酸素を運ぶヘモグロビンは、鉄と蛋白が合わさってできています。そのため、鉄が十分に足りていたとしても、蛋白が不足するとヘモグロビンを産生することができません。逆に生理で失われる鉄と蛋白を補える分だけ摂取できると、血液中のヘモグロビンが不足しないので生理中でも貧血になりにくくなります。
貧血を予防するためには、鉄と蛋白の両方を摂取する必要があるのです。
タンパク質を摂取するためには、食事の内容を見直すことが一番です。肉や魚、卵には良質なタンパク質含まれているので、これらをバランスよく摂取する食生活を心がけましょう。普段の食生活に無理なくタンパク質を取り入れるには、普段食べているスイーツなどをタンパク質が豊富に含まれるギリシャヨーグルトなどに置き換えてみるのもおすすめです。
また、必須アミノ酸が揃う米と比較して、麺やパンなどの小麦では2種類の必須アミノ酸が欠けてしまいます。小麦中心の食生活を送っている方は、米主体の食生活に変えることも有効な貧血対策になります。 一人暮らしの女性で「料理をするのが大変」という方でも、おにぎりなど作りやすい米料理を試してみるといいでしょう。
生理中の不調が鉄分を沢山とっても改善されない…という方は、たんぱく質を意識的にとることで不調が改善する可能性があります。
生理中に貧血にならないための予防

生理中、めまいにおそわれることがあったり、だるさや頭痛、動悸、息切れがしたりすることはありませんか?生理の出血が原因で貧血になってしまい、身体の調子が悪くなる女性は少なくありません。
すでに貧血と思われる症状がある人は、まず病院(婦人科)を受診して鉄剤を処方してもらうか、市販の鉄剤を購入して服用し、症状を改善することをおすすめします。
一方で錠剤以外にも、日常の些細な場面で気をつけることで、貧血は予防できます。生理中でも貧血にならないための予防法は、以下の通りです。
摂取する栄養の調整
鉄剤を飲むことで、血中のヘモグロビンの量が少しずつ多くなり、症状が改善していくはずです。そうして不調を改善した後、鉄剤をサプリメントに変えたり、鉄分の多い食材(レバー、赤身の肉、あさり、ひじき、厚揚げや豆腐などの大豆製品)を積極的に摂取したりして、食生活を整えていくとよいでしょう。
生活習慣の見直し
生活習慣としては、とにかくバランスの良い食事をして、よく眠り、体を休めて健康に過ごすことが大切です。特に鉄分は夜に多く吸収されるため、睡眠時間が少ないと鉄分の吸収量も減ってしまいます。そうなると、より貧血になりやすい条件がそろうため注意が必要です。
生理中の貧血症状は、日々の生活のちょっとした無理が積み重なった結果、現れることが多く、何か一つのことをすれば改善されるというものではありません。貧血の症状が出ないようにするためには、毎日できるだけ体をいたわることが重要といえます。
貧血は妊娠に影響する

女性の場合、貧血を放っておくと、妊娠したときに困ることになります。妊娠をすると、女性の体はさらに貧血になりやすい状態になるのです。妊娠中はお腹の赤ちゃんに栄養を送るため、血流量が増えます。しかし実は増えているのはおもに水分だけ。つまり、血が薄まって血液が増えたように見えているだけの状態です。
血液中の酸素の量は当然少なくなるので、貧血が起きやすくなります。重症化すると赤ちゃんの発育が悪くなったり、出産時の出血が命に関わったりすることがあります。いざというときに備えて、貧血を改善しておいたほうがよいでしょう。
生理中の貧血を防止するための食生活の改善方法
平常時でも、鉄やタンパク質が不足すると貧血を招いてしまいます。生理中は特に貧血を起こしやすくなるので、食生活を改善させることを第一に考えましょう。
まずやめなければならないのは過度なダイエットです。糖質制限のためにお米を食べないという女性も増えていますが、お米を抜くと必須アミノ酸を摂取できません。これでは蛋白不足になり、非鉄欠乏性貧血を招いてしまうでしょう。
鉄分は肉や魚などに多く含まれています。ダイエットで食べる量そのものが減ってしまうと、鉄の摂取量そのものが失われてしまいます。結果、鉄欠乏性貧血を起こしやすくなってしまうのです。
しかしダイエットをしない代わりに、具体的にどのような栄養を摂取すればいいのかは悩みどころですよね。そこでここからは、生理中の貧血予防につながる栄養素と、効率的に摂取できるおすすめ料理をご紹介します。
生理予定日少し前から、鉄の多い食材を意識的にとる
鉄剤の服用でも鉄を補給することはできますが、ベースとすべきなのはあくまでも食生活の改善です。生理予定日が近付いたら、鉄を多く含む食材を取り入れた料理を意識的にとりましょう。
鉄分には、おもに肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、おもに野菜や海藻に含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄のほうが高い吸収率を持ち効果的なので、ヘム鉄の多い食材を使ったレシピを選ぶことがおすすめです。
例えば鶏レバーを醤油やみりんで甘辛く煮込めば、特有の臭みが消えて食べやすくなり、日持ちもします。牛肉の赤身と小松菜のオイスターソース炒めも、すべての食材と調味料に鉄分が多く含まれます。また、あさりにもヘム鉄が含まれるので、味噌汁の具材にはあさりを選んでもよいでしょう。
吸収をサポートするビタミンも一緒にとる
鉄の摂取は必須ですが、それだけでは貧血予防には不十分です。ビタミンB群には造血作用が、ビタミンCには摂取した鉄の吸収をサポートする作用があります。この2種類のビタミンが豊富なレシピも取り入れるのが貧血予防に効果的です。
ビタミンB群は魚介類に多く含まれるので、牡蠣を使った料理や、サバやホッケを焼いて食べるのがおすすめです。ビタミンCは果物からの摂取するといいでしょう。キウイやグレープフルーツ、パパイアを食べたり、料理にレモンを絞って食べたりするのもありです。
非鉄欠乏性貧血を防ぐため、良質なたんぱく質も摂取
必須アミノ酸をとるためには、パンや麺類よりも米を優先しましょう。肉や魚、卵にもタンパク質が多く含まれるので、この2つも忘れずに取り入れることが大切です。
例えば焼き鮭と卵焼き、豆腐、ご飯という典型的な朝食の献立は、タンパク質を摂取しやすい料理ばかりです。肉類では赤身にタンパク質が多いので、牛や豚のヒレ肉を使ったグリルや煮込み、鶏のささ身のソテーといった料理もおすすめです。
生理中の貧血に注意すべきシーン
普段の生活の中には、貧血の時に行うと危険があることや、避けたほうがいいことがいくつかあります。知らずに行ってしまうと思わぬ怪我をしたり、さらに貧血がひどくなったりします。
この機会に知って、避けるようにしてみてください。
採血

生理中の貧血において、特に避けたほうがよいのは採血です。たとえば健康診断が生理にぶつかってしまったという場合は、できるだけ別の日にずらしましょう。
健康診断の直前に生理が始まってしまうなど、もうどうしようもないといった場合は事情を話して、横になった状態でゆっくりと採血してもらうのがよいでしょう。ただでさえ生理により失血するわけですから、それ以上のことはなるべく避けることをおすすめします。
激しい運動
適度な運動は、血行改善やリフレッシュにもなり普段通り行って大丈夫です。しかし激しい運動は貧血状態を悪化させることになりますので、避ける方がいいでしょう。転倒や怪我につながることも考えられます。
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まとめ
生理中に限らず、貧血と見られる症状が出た場合、もしも可能であれば、横になって体をしっかりと休めるのがよいでしょう。朝起きられないという場合は無理して学校や仕事にいかず、その日はお休みをとることをおすすめします。ふらつきがある場合、無理に動くと転んでケガをするおそれもあるため、くれぐれも無理は禁物です。
貧血は「なんだ、貧血か」「貧血って誰にでも起こることでしょ?」などと軽く見られる傾向がありますが、決して軽視してよいものではありません。貧血がある=血液に異常が起こっているということです。体に異常があるのですから、無理をせず、治しておくことをおすすめします。
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