『こたつがかり』とは、日本古来の暖房家具であるこたつの中で行うセックスの体位で、背面座位に分類されます。

こたつの歴史は古く、室町時代から続く日本特有のもの。日本人が慣れ親しんだこたつを使った体位から、昔の日本人にとってセックスが生活の中で行われる自然な行為だったことがうかがえます。

1700年代（江戸時代）の川柳に「炬燵（こたつ）にて　毛雪駄（けせった：女性器のこと）をはく（挿入すること）　面白さ」と詠まれていることから、セックスの体位が体系化された江戸四十八手の時代にはすでに庶民で楽しまれた体位だということがわかります。

娯楽の少ない300年前、こたつで暖をとりながら恋人や夫婦は愛を語らい、その場でお互いを求め合ったのかも知れません。現代人の私たちも負けてはいられませんね。

「こたつがかり」はこたつに男女の足を入れたまま普通の背面座位を行うシンプルな体位です。名前の由来は不明ですが、こたつぶとんを掛けて行う形から「こたつがかり」と呼ばれるようになったと思われます。

背面座位ではなく、わざわざこたつを使った体位というところに注目。愛する人とこたつの中で足をつつき合っているうちに、気持ちがたかぶってキスをしているうちに、ついついセックスを始めてしまった。なんていう経験ありませんか？

つまり「こたつがかり」でセックスする時にこたつが必要なのではなく、こたつの中でセックスが始まってしまうというプロセスが「こたつがかり」で重要なところなんです。

「こたつがかり」はただの体位ではありません。愛を語らい、スキンシップから始まるセックスへの期待、こたつで暖をとりながらも二人の体温を交換する一連の流れこそ本来の「こたつがかり」と言えるでしょう。

ですので、ただの背面座位を「こたつがかり」とは言えません。またテーブルクロスを敷いたコーヒーテーブルなどの小さなテーブルでも、こたつの代用として「こたつがかり」はできます。

「こたつがかり」を実践するなら、昔からの愛の作法にのっとって、こたつで始まるセックスにこだわりたいところ。

「こたつがかり」のやり方はとても簡単。こたつの中で男性が足を伸ばして、背を向けた女性が男性にまたがって座位の姿勢になります。

こたつの中でテレビや映画を楽しみながら、ベッドでしないセックスを楽しみましょう。こたつで温まったパートナーの体は欲情の火照りと相まって、熱いセックスになること間違いなしです。

「こたつがかり」を始める前に、床面が固くてはせっかくの熱いセックスに水を差してしまいます。座布団やクッション、座椅子があれば「こたつがかり」の時に男性のお尻が痛くなったりすることがないので、ぜひ用意しておきましょう。

まずはこたつに入りながら、二人の時間を楽しみましょう。座る位置は女性が男性を背もたれにピッタリくっつけばスキンシップやキスもはかどるはず。男性は女性を優しく抱きしめ、耳やうなじ、首筋から肩へ優しく愛撫。

男性は後ろから女性を女性を包むような姿勢を取れることから、乳房やクリトリス、膣を空いた両手でじっくり前戯できます。

女性が男性を迎え入れる準備ができたら、いよいよ挿入。膣が十分に濡れていれば、女性の自重で挿入は楽なはず。

女性が少し腰を浮かせて、男性のペニスを挿入すれば「こたつがかり」の姿勢になります。女性が前がかりになったり、男性が股を開けば深い挿入ができるでしょう。

これらの体位がおすすめ。普通の正常位や騎乗位、座位、側位からでもペニスを挿入したまま、菊一文字の姿勢に移行できます。

「こたつがかり」はこたつの中で行う背面座位。女性を大きく突き上げるようなダイナミックな動きはできません。上下のピストンよりも前後のピストンを楽しんだ方がやりやすいでしょう。

また、男性の腰あたりまでこたつに入ってしまうと、ほとんどピストンができません。男性は浅めにこたつに入るのがコツです。

女性はヒザをつくように男性にまたがれば、女性でもピストンのコントロールができます。女性も腰を上下に動かすのではなく、前後にお尻をこすりつけるように動けば、男性のピストンのアシストができます。

「こたつがかり」では女性が両ヒザをついた姿勢が基本となりますが、両足をつけてヒザを立てればより深い挿入感とストロークの長いピストンが楽しめるようになります。

背面座位からの体位を変えるとしたら、もっともスムーズにできるのは背面騎乗位。「こたつがかり」から男性が体を倒せば、そのままこたつに足を入れたままの背面騎乗位ができます。「こたつがかり」では前後のピストンでしたが、背面騎乗位になれば上下のピストンが可能に。

「こたつがかり」から移行するのにベストな体位がもう一つ。それは『仏壇返し（ぶつだんがえし）』

「こたつがかり」の姿勢から男女ともに立ち上がり、女性がこたつに両手をつけば仏壇返しの姿勢になります。「こたつがかり」で燃え上がったら仏壇返しで、さらに激しいセックスを楽しめます。

「こたつがかり」は女性への愛撫のバラエティに富んだ体位です。

女性が横を向き、男性がキスすれば見た目もエロティックでドラマティック。男性は女性の耳を甘噛み、うなじや首筋、肩、背中を唇で愛撫。空いた両手で乳房や乳首、クリトリスをピストンと同時に刺激できるため、女性にとっては至れり尽くせりの体位です。

「こたつがかり」をする時、こたつの上に置いてあるものには注意が必要です。壊れやすいもの、飛び散らかりやすいもの、飲み物などが倒れたり、こたつから落ちてしまっては官能的な雰囲気も台無しに。

また、こたつに長時間入っているのは脱水症状の原因になりますので、長時間続けることはおすすめできません。こたつの熱源に足が近すぎると火傷をするかもしれませんので注意しましょう。

男性を背もたれに濃厚なスキンシップから始まるセックスは、女性にとって他の体位にはない充実感があります。それは男性の体に密着していることの安心感、幸福感、満足感。男性の体に身を預けたら、リラックスして包み込まれるような幸せをたっぷり味わって。

膣の奥深くまでペニスで埋め尽くされる挿入感、前後のピストンによって膣口を支点にペニスの先端が膣内をまさぐるように動く快感は膣全体で感じ取れるもの。

彼の両手や唇の愛撫をすべて受け入れて全身で快感の海に溺れる。それが女性の「こたつがかり」の楽しみ方。でも男性ばかりに頑張ってもらうのは忍びないと思う優しいあなたに、男性が喜ぶワンポイントテクニックを紹介。

それはピストンの際に、片手で男性の玉袋を爪で軽くカリカリと刺激すること。男性にとっては挿入によるペニスの快感と、玉袋の刺激の２点攻めで深い快感を味わうことができるでしょう。

昔から受け継がれてきた「こたつがかり」は女性にとって満足度の高い体位です。

「こたつがかり」にはこれだけのメリットが。それなのにデメリットは少なめ。

日本文化とセックスが融合した「こたつがかり」は、300年以上前の男女が編み出した愛の秘技。冬の寒さをよそに、こたつで交わされる熱いセックスは今も昔も変わりません。こたつぶとんの下で交わされる、愛のコミュニケーションをぜひ楽しんでみましょう。

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。

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