『菊一文字（きくいちもんじ）』は側位の一種で、元々は一文字（いちもんじ）と呼ばれていました。肛姦（アナルセックス）でも使われる体位だったため、菊の花を肛門に見立てて菊一文字と言われるようになったそうです。

菊一文字とは、もともと鎌倉初期に活躍した刀鍛冶の名工の名前。菊一文字でまぐわう男女を上から見たシルエットは、女性の上半身が刀身、男性が刀を構える侍のよう。

菊一文字はまるでバレリーナのように、女性の体の柔軟性が求められます。

そのぶんメリットはたくさんあって、色々な体位から移行できる手軽さに加えて、男性も腰を動かしやすく、深い挿入が得られます。さらに男性は両手が空くので、クリトリスや乳首をピストンと同時に刺激できる万能型の体位です。

他サイトでは菊一文字のイラストを騎乗位のように描いていますが、菊一文字は側位です。女性は男性の上に乗りません。

菊一文字はまず、女性が可能な限り大きく足を開脚させます。女性の上半身は少し起こして、後ろに手やヒジをついてバランスをとりましょう。

男性は開脚した女性の両脚と平行になるように横たわり、そのまま挿入すれば菊一文字の姿勢になります。

菊一文字は女性が大きく開脚するので、男性から女性のデリケートゾーンがはっきり見えて刺激的。男性は片ヒジをついて体を少し起こせば、さらに女性のデリケートゾーンがよく見えるようになり、もう一方の片手で女性を愛撫しやすくなります。

菊一文字は膣の奥深くまで挿入できる体位ですので、しっかり前戯をして膣を愛液でたっぷり濡らしておきましょう。

女性は無理に足を開脚させて股関節や腰を痛めないように注意しましょう。

前戯から菊一文字をするなら、『立ち花菱（たちはなびし）』や『岩清水（いわしみず）』などのクンニリングスから挿入するのがスマート。膣とデリケートゾーンをたっぷり濡らしたら、女性の脚を押し広げて挿入しましょう。

他の体位から菊一文字をするなら

これらの体位がおすすめ。普通の正常位や騎乗位、座位、側位からでもペニスを挿入したまま、菊一文字の姿勢に移行できます。

菊一文字はかなり深い挿入感をお互い楽しむことができるので、Gスポットはもちろんポルチオ性感帯も刺激できます。

男女ともに腰を動かしやすく、男性はピストンの緩急をつけたり、腰をグラインドさせてペニスで膣内をかき回すような刺激を与えられます。

女性も腰をくねらせたり、腰の向きを変えればペニスの挿入角度も変えられるようになり、膣内の刺激の変化を楽しめます。

ここで菊一文字で男性がピストンをしやすくなるポイントを紹介。

男性は両脚を伸ばしたまま腰を動かすよりも、横になって上側にある脚のヒザを曲げて、曲げた足をベッドに立てると、さらに腰が動きやすくなり力強いピストンができます。

また男性は片手を女性の脚とベッドの間に通し、女性の脚を抱きかかえる格好になると、女性の体がピストンで揺さぶられるのを防ぎ、さらに深い挿入感が得られます。

菊一文字のデメリットは女性に高い柔軟性がないとできないこと。体の硬い女性にはチャレンジすることは難しいでしょう。

そこで体の硬い女性でも菊一文字が楽しめるアレンジを1つ紹介。

まず女性が軽く脚を開き、正常位の時の姿勢になります。両手で自分の両太ももを抱えて、ベッドに対して太ももが直角になるよう姿勢をキープ。その状態で男性が挿入すれば、開脚をしない菊一文字ができます。

その代わり、女性は自分の腰を動かすことができなくなるので、完全に受け身の状態に。また女性の太ももが邪魔をして、男性は空いた手でクリトリスを刺激しにくくなります。

菊一文字はアナルへの挿入も無理なく行える体位。アナルセックスが経験済みのカップルは、菊一文字の体位でトライしてみましょう。

アナルの快感を得ながら、男性はクリトリスや膣へ指を挿入してGスポットを刺激すれば、女性にとても強い快感を与えられます。

菊一文字はピストンをしながら、クリトリスや乳首を刺激したり、女性の脚を愛撫できる同時攻めに向いた体位。女性も自分の乳房や乳首、クリトリスを刺激してピストンされながら外イキすることもできます。男性と女性で手をつなげば、安心感もありますし、より愛情が伝わりやすくなるはず。

あえて男性は女性への愛撫をせず両腕で女性の脚に抱きつけば、女性の下半身と男性の全身が密着する形になり、体の密着度を高めることも。

同時攻めによる強い快感、体を密着させたり手を取り合うことで愛を表現できる菊一文字は、セックスの初心者から上級者まで楽しめる体位ですので、普段のセックスにぜひ取り入れてみましょう。

菊一文字は女性の股関節の柔軟性が求められる体位です。無理に開脚して股関節や腰を痛めてしまわないよう、気をつけてください。

男性は女性への負担を考えて、少し脚を閉じさせたり、ヒザを曲げさせてあげましょう。

女性にとって菊一文字は主導権もなければ、自分から動くこともできません。ピストンのストロークも短いので快感も薄い体位です。

女性にとって菊一文字は、クリトリスや乳首を刺激した外イキと、膣内性感帯を刺激した中イキを両立できるので、48手の中でもトップクラスの快感を楽しめます。

開脚したデリケートゾーンの前にペニスを遮るものはなく、膣の奥深くまでペニスを迎え入れることで、ポルチオ性感帯への刺激がしやすい体位なのも嬉しいところ。

女性は上半身を支える両腕で、体の起こし具合を調整すれば、ペニスの挿入角度まで変えられます。体を起こせば膣口が下を向くので、ペニスでGスポットを刺激できるはず。逆に上半身を倒せば、楽な姿勢で深い挿入感に集中できるし、空いた手でクリトリスを刺激することも。

女性優位の体位である騎乗位に匹敵するほど、菊一文字は女性にとって自由度の高い体位です。一度でも菊一文字を体験したら、お気に入りの体位になるかも。

女性から見て一つ気になる点を挙げるとすれば、男性側からデリケートゾーンが丸見えなところ。もしデリケートゾーンの黒ずみやアンダーヘアのケア不足があれば、男性の性欲が減退しては大変。菊一文字の時に限らず、デリケートゾーンは日頃からのケアを怠らないように気をつけましょう。

48手の中でも自由度、密着度、快感度が高い菊一文字。

デメリットを挙げるとすれば、女性の柔軟性が求められるところ。まるでバレリーナのように脚を180度近く開脚しなければならないので、体の硬い女性には難しい体位です。

一方でメリットはたくさん。

これだけのメリットがある菊一文字は男女ともに人気の体位。ここで紹介した菊一文字のアレンジで、体の硬い女性も菊一文字を楽しめます。次にパートナーとセックスする機会があれば、チャレンジしてみることをおすすめします。