『御所車（ごしょぐるま）』は48手の中でダントツ遊び心のある体位。

御所車とは天皇や貴族を乗せた牛車のこと。馬車とは違って、のっそりとゆっくりと車輪がまわるところがポイント。なぜなら、48手の御所車は騎乗位の姿勢になった女性が、男性の上を回転するコミカルな体位だから。

御所車は江戸時代の人たちの、セックスに対する好奇心の高さがうかがえる体位。他にはない特殊な体位ですが、その発想の面白さには感銘すら覚えます。

セックスは快楽であり、心と体のコミュニケーション。御所車を実践すると快楽よりも、心と体のコミュニケーションが深まるかもしれません。

心と体のコミュニケーションとは言ってもロマンティック、エロティックな雰囲気で男女の愛を深め合うようなものではありません。

御所車は「試しにこんなことしてみようよ！」といった好奇心や、「こんなやり方なら面白いよね！」といったチャレンジ精神が刺激されるでしょう。普通のセックスが愛のコミュニケーションだとすれば、御所車は仲の良い男女の談笑。

ちょっと気分を変えて、セックスの中に笑いを取り入れるなら御所車は最適な手段になります。

それだけに御所車は交際期間の短いカップルや、セックスの初心者には不向き。同じパートナー同士、何度もセックスで関係を深めたカップルだからこそ、その良さが活きる体位です。

やってみると笑わずにはいられないコミカルな体位「御所車」。そのやり方は、騎乗位の姿勢になったら、挿入されたペニスを軸に女性が手足を上手に使いながら、時計のようにクルクル回転すると御所車の状態になります。

右回りでも左回りでも構いません。騎乗位の姿勢で回転できれば、それは御所車です。

騎乗位のやり方

御所車は別の意味で雰囲気作りが大切。愛を深め合うセックスの最中に突然、御所車のような体位を始めてしまうと、当然ですがパートナーに引かれてしまうでしょう。

御所車を始める前に「ちょっと気分を変えて面白い体位やってみない？」と誘ってみましょう。実際に御所車を始めれば恍惚の表情だった二人の顔は、晴れやかな笑顔に変わるはず。

愛を深めるセックスではなく、楽しいことや面白いことを共有する手段として御所車はうってつけ。

御所車はかなり変則的な動きをします。男性はしっかりと勃起していること、女性は膣内が十分に濡れていることが必須条件。セックス途中の気分転換に取り入れれば、この心配はないかもしれませんね。

御所車は”姿勢”ではなく”動いた状態”を指す体位。あえて姿勢で言えば騎乗位の『時雨茶臼（しぐれちゃうす』の姿勢です。男性はヒザを立てず足をまっすぐに。女性の上半身は、男性に対して垂直を保ちます。

御所車は挿入したペニスを軸に、女性が男性の上を回転する体位。ピストンはしません。

女性は足をカニ歩きの要領で体を回転させ、両手でバランスをとります。足は伸ばした方がバランスが取りやすくなります。

男性はじっとした状態をキープ。両手を使って女性の回転をアシストしたり、女性がバランスを崩さないようにサポートしましょう。

シュールな動きに、思わず吹き出してしまえば御所車は成功。女性が笑うと膣の締まりも小刻みに変化するので、男性はちょっと気持ち良かったりします。また、膣の中でペニスがねじられるような感触があり、どの体位にもない特殊な刺激が楽しめます。

御所車は男女がサポートしあって騎乗位の姿勢のまま女性が回転しますが、女性主導でこれを行うと、ペニスに思わぬ負荷がかかってしまい、ペニスを傷めてしまう恐れが。

あえて女性は動かず、男性に体を回してもらうアレンジを紹介。男性がペニスへの負荷に気をつけながら、男性主導で女性を回転させるので、危険性が下がります。

まずペニスと膣にたっぷりローションを塗布しましょう。次に女性が男性の上に三角座り（地方によっては体育座り）の姿勢になります。そして男性が両手を使って女性を回すというやり方。

女性がヒザを曲げて、体をコンパクトにすると女性の重心が安定するため、ペニスに思わぬ負荷をかける危険性が少なくなります。

さらに女性は足を閉じているので、膣の締まりも良くなり快感が増します。ただし、男性がしっかり女性を支えていないと簡単にバランスを崩してしまうので注意。

御所車をしている時はお互い常に動きのユニークさに笑顔になるでしょう。いったん快感や愛撫のことを忘れて、女性が上手に男性の上を回ることに意識を集中させた方が良さそう。

そもそも女性が回転しているし、男女ともに両手を使うので愛撫はできません。

御所車を実践する上で一番注意したいのがペニスへの負荷。ペニスを挿入しながら女性が回転するので、バランスを崩して体が倒れてしまうと、ペニスが思わぬ方向に曲がってしまい、男性は痛みのあまり悶絶してしまうかも。

気分転換に取り組んだ御所車で、セックスが続行不能になってしまっては本末転倒。

少しでもバランスを崩しそうになったり、回転することが難しそうであれば、すぐに中止しましょう。

御所車が上手にできなくても問題ありません。おそらく御所車を試そうとする過程で、すでに二人は笑顔になってリラックスできているはずですから。

御所車は女性にとって一番恥ずかしい体位かもしれません。男性の上で回転する様子はコミカルでユーモアがありますが、女性が笑われていると受け取ることもできてしまいます。

御所車で回る女性は玉乗りをしたピエロ。男性を笑わせ、つられて自分も笑い出す。そんなユーモアセンスがあって、サービス精神旺盛な女性でないと、ただ恥ずかしいだけで終わってしまうかも。

あんまりしつこく男性が笑うようなら、お仕置きが必要です。御所車の姿勢は騎乗位なので主導権は女性にあります。

女性がセックスのスイッチをコミカルからエロティックに切り替えて、腰を動かして男性を黙らせましょう。

御所車の車輪は女性を指しますが、御所車をコントロールするのも女性だということをお忘れなく。

48手の中で一番コミカルでユーモアに溢れた体位「御所車」。騎乗位の姿勢から、ペニスを軸に女性が回転する突拍子もないもので、そんな体位から得られる快感は微々たるもの。

なぜそんな体位が江戸時代から現代まで伝わってきたのでしょう。それはセックスを通して男女が笑顔になり、セックスをユーモラスに楽しむためなのではないでしょうか。

強い快感や愛を深めるだけがセックスではありません。セックスは心と体のコミュニケーション。コミュニケーションには喜怒哀楽があり、セックスも然り。それならセックスで楽しく笑いあう男女の姿があってもいいはず。

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。