お悩み解決コラム 夜の保健室
セックスをしている時に「避妊」について心配になったことはありますか?望まない妊娠を不安に思っている状況では、せっかくの愛する彼との時間も心から楽しむことはできません。
また間違った方法で避妊を行った結果、予期せぬ妊娠をするということはなるべく防ぎたいことです。そこで今回は産婦人科医の岩橋 晶子先生のご監修のもと、避妊方法の種類やそれぞれの正しい方法についてご紹介していきます。
避妊(ひにん)とは「妊娠を防ぐ」こと。妊娠は排卵・受精・(受精卵の)着床の3段階で成立するので、避妊はこの3段階のうち一つでもブロックすれば、望まない妊娠を避けることができます。
望まない妊娠を避けるには、セックスの時に必ず「避妊」をする必要があります。では「避妊」には具体的にどのような方法があるのかについて解説していきます。
避妊方法で最も広く知られているのは「コンドーム」です。しかし実は他にも主に6種類の避妊方法があります。それぞれの特徴を知って自分達にあった避妊方法を見つけることが大切です。
~主な避妊方法について~
コンドーム(男性用)
経口避妊薬(ピル)
IUD(子宮内避妊具)
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
リズム法(タイミング法など)
避妊手術
上記の中には、単体では効果が弱い避妊法もあるので組み合わせることでより高い避妊効果を得ることができます。
IUD(子宮内避妊具)は子宮の中の環境を変えることによって受精卵が子宮内膜(赤ちゃんのベットになるところ)に着床(妊娠の成立)するのを妨げ、妊娠を防ぎます。その中でも銅付加IUDは、精子の運動性を抑えるほかに、精子と卵子の受精を妨げる働きもあり、高い避妊効果を発揮します。
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)は黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出するシステムで、子宮内膜(赤ちゃんのベットになるところ)に作用して内膜が薄くなり、受精卵の着床(妊娠の成立)を妨げたり、子宮の入口の粘液を変化させて精子が腟の中から子宮内へ進入するのを妨げたりすることで避妊効果を発揮します。
IUS・IUDは最初の取り付けから5年間効果が持続することが大きなメリットです。一方で脱落する危険性があり、脱落した場合はクリニックで再装着してもらうことが必要です。
さらに詳しくそれぞれの避妊方法のメリットデメリット、どんな方に適しているかを知りたい時は、下記のページで詳しく紹介しているのでチェックしてみてください。
最も身近な避妊方法の一つが「男性用コンドーム」です。男性用コンドームは男性器にかぶせて使用する避妊具で、精子が膣内に入ることを防ぎます。
女性の膣の中に入れて使用する「女性用コンドーム」もありますが、流通量が少なかったり使用にコツがいるため男性用コンドームの方が広く使われています。
コンドームの避妊の失敗率は実は約18%もあります。避妊に失敗する要因としてはコンドームを正しく使用していなかったり破損したことによるものなので、きちんと使用方法を知ることが大切です。
コンドームの付け方、捨て方、破れる原因などコンドームに関する詳しい情報は、是非下記のページを参考にしてください。
また、コンドームにはとても色々な種類があります。女性に優しいジェルたっぷりの物、ゴムアレルギーでも使用することができるポリウレタンなどの素材の物、男性の密着感を高めるものなど、カップルで色々な種類を試してみてもいいでしょう。サイズが違うとコンドームの脱落や破損につながるので、しっかりサイズが合ったものを選ぶのも重要です。
コンドームの購入方法は、ドラッグストアやコンビニなどの実店舗の他通信販売を利用する方法もあります。通販だと女性でも時間を気にせずゆっくり商品説明を読みながら商品を選べたり、誰にも会わずに購入することができる利点もあります。購入場所ごとのメリットデメリットや買い方の違いについては下記の記事を参考にしてみてください。
もしコンドームが破損したり、膣内で抜けてしまったり、彼氏がセックスでコンドームをつけてくれなかったりしたときは「緊急避妊」をする必要があります。緊急避妊はなるべく早く薬を服用することが大切です。
いざという時の為に、身の回りで緊急避妊用のピルを処方しているクリニックを調べておくといいでしょう。
コンドームよりも避妊率が高い方法として代表的なのが「ピル(経口避妊薬)」です。ピルは男性の協力がなくても避妊できる方法としても人気ですが、40代以降の女性は血栓症のリスクがあるため原則服用できないのが特徴です。
ピルはコンドームと違って、現在ドラッグストアなどでは購入できません。病院で処方してもらう必要があります。ただしオンライン処方という選択肢も現在は広まってきています。
生理周期に合わせて服用を開始するので、当日から避妊効果が得られるわけではない点は注意が必要です。また、コンドームと併用の場合避妊と同時に性感染症を高確率で防ぐことができるのも大きなメリットです。
どちらかを選ぶのではなく、両方を使うことでどちらのメリットも取り入れることができるのでお勧めです。
避妊には沢山の種類があり、それぞれメリットデメリットがあるので自分たちに合った方法を見つけましょう。避妊は二人で協力して行うもの。彼任せにするものでもなければ、女性だけが考える必要のあるものではありません。
片方ばかりが負担に感じる状態では、セックスを心から楽しむことはできません。二人ともが正しい知識を持って、互いの体に思いやりを持ちながら、大切な時間を楽しんでいきましょう。
日本産婦人科学会産婦人科専門医。山口大学医学部卒業。シンガポール国立大学研究留学。市立池田病院 産婦人科、大阪医科大学附属病院 産婦人科での勤務を経て、現在はゆかりレディースクリニック婦人科外来・シンデレラ&ダヴィンチクリニックにて婦人科美容外来診療を行う。大手美容皮膚科院長・大手美容外科技術認定医経験あり。
●資格等
日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本美容外科学会(JSAS)会員
日本女性医学会会員
NCPR Aコース修了
緩和ケア研修会修了
ボトックスビスタ®VST 認定医
ジュビダームビスタ®VST 認定医
ジュビダームビスタ®バイクロスVST 認定医
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません
会員数175万人の『ラブコスメ』を企画編集。2003年に日本ではじめて『セクシャルヘルスケア』を提唱し、恋愛やカラダのことで友人にも聞けない性に関する悩み解決の専門家として発信。SNSにて『夜の保健室』を展開し、小説や漫画など書籍も多数。記事・動画・アプリで「愛し合うこと応援する」ために幅広く活動している。