
コンドームといえばゴム製品のイメージですが、実はゴム以外の素材のものもあることをご存じでしょうか?素材によってコンドームの使用感は大きく異なり、男性はもちろん、女性の感じ方にも影響を与えます。
避妊具としても感染症予防のためにも、さらにカップルのラブタイムの満足度にも関わるアイテムなので、二人で話し合いながら選んでみると良いでしょう。
なかには「コンドームを装着していると気持ち良くない」という印象を持つ人もいますが、それは自分たちに合うコンドームに出会っていないからかもしれません。より気持ち良く感じられるコンドームが見つかれば、ラブタイムの質がアップしてコンドームへの見方も変わりそうです。
今回は医師の山下真理子先生の監修のもと、コンドームの素材の種類や、素材ごとの特徴と違いをまとめてみました。一般的なコンドームではゴムアレルギーが出てしまう方もつけることができる素材もあります。
また素材によって破れにくいもの、つけやすいもの、薄いもの、臭いが気にならないものなどもあるので、今使っているコンドームに満足できていない方はぜひチェックしてみてください。
コンドームの素材とは?

コンドームの素材には、主に天然ラテックス、水溶性ポリウレタン、イソプレンラバーの3種類があります。以前はラテックスゴムを使ったコンドームが一般的でしたが、近年はそれ以外の素材で作られたものも増えてきました。これら素材にはそれぞれ特徴があり、人によって相性もあります。まずはコンドームの素材について、基本的なことを知っておきましょう。
コンドームの素材を気にしたことは?使用感に違いはある?
コンドームにはいろいろな素材のものがありますが、実際に使うときに気にする人は多いのでしょうか?素材について気にしたことのある人の割合や、どんなところに違いを感じるのか見てみましょう。
【女性】コンドームの購入時に悩むこと
ラブコスメでは、男女のコンドームの素材に対する本音を調査(2020年8月マイエルシーアンケート:【女性】コンドームの購入について)。まず女性への質問「コンドームの購入時に悩むこと」についてのアンケートでは、もっとも多かった「周りの目線が気になる」の回答の次に「質感が気になる」という声が上がっていました。
【女性】ラブホテルのコンドームを使用してきた中で何か困ったことはありましたか?
【男性】ラブホテルのコンドームを使用してきた中で何か困ったことはありましたか?
また、男女に聞いたラブホテルのコンドームに対する不満では「素材が硬くて痛かった」「好みの質感ではなかった」と男女それぞれが答えています(2020年8月マイエルシーアンケート:【女性】ラブホテルのコンドームについて、【男性】ラブホテルのコンドームについて)。
男性は自分の身に付けるものとして、女性もデリケートゾーンに触れ合うものとして素材や使用感が気にしているようです。また、男女ともにコンドームには好みの質感があり、ものによっては使用感が合わないと感じていました。
コンドームの素材はどこを見たらわかる?
一般的にコンドームは小箱に入って売られていますが、パッケージの裏側にある「素材」の記載を見ると、その製品が何で作られているのかがわかります。ラテックスや水溶性ポリウレタン、イソプレンラバーなどと詳細には書かれていないこともありますが、その際は以下のように判断できるでしょう。
- 天然ゴム→ラテックスで作られたコンドーム
- ポリウレタン→水溶性ポリウレタンで作られたコンドーム
- ポリイソプレン→イソプレンラバーで作られたコンドーム
ネット通販を利用する場合、サイトによっては説明書きに素材が表示されておらずわかりにくいこともあります。その際には、質問欄などで確認するか、医療機器認証番号で検索してみるようにしましょう。コンドームは医療機器の一種なので、番号で簡単に情報を検索することができます。
コンドームの素材別の特徴

コンドームは素材ごとにそれぞれ使い心地が違ったり、メリット・デメリットがあったりします。単純に素材の違いで良し悪しを測ることはできませんが、カップルの好みによって相性はあるもの。自分たちに合うコンドームを知るためにも、素材によってどのような特徴があるのかチェックしておきましょう。
ラテックス製コンドーム
ラテックス製コンドームとは、いわゆるゴムの木から採れた天然ラテックスで作られているものです。種類が豊富で、選択肢が広いというメリットがあります。「ラテックス」とは、ゴムの木の樹皮を傷つけると分泌される乳白色の液体のこと。
つまりラテックス製コンドームはゴム製のコンドームということであり、ゴムアレルギーを持っている人にはアレルギー反応が起こるリスクがあります。
アレルギー反応の種類としては、かゆみや蕁麻疹、呼吸器系の症状などです。職業柄ゴム手袋を日常的につけているなど、天然ゴムに触れる機会の多い方ほどアレルギー反応が出やすいため注意が必要でしょう。コンドームを使ったあとにデリケートゾーンなどにかゆみを感じた場合は、ゴムアレルギーの可能性が高いと言えます。
ほかの素材も増えたとはいえ、ラテックス製コンドームはまだまだメジャーです。そのためラブホテルに備え付けてあるコンドームなども、ラテックス製であることが多くなります。また、アレルギーはなくてもゴム特有のきしみを苦手に感じる女性もいるでしょう。
ポリウレタン製コンドーム
ポリウレタン製コンドームとは、いわゆるプラスチック製のコンドームです。ラテックスを使っていないため、ゴムアレルギーの人が使っても体に影響が出ません。シャカシャカとした触り心地や薄さが、ポリウレタン製コンドームの特徴です。
ポリウレタンは素材の特性上、ラテックス以上に薄いコンドームが製造できます。コンドームに薄さを求める人は多いため、後発の素材ながらラテックスよりこちらを選ぶ人も増えてきました。また、ラテックス製のコンドームに比べて、引っかかる感覚が少ないという評判もあるようです。伸びやすさではラテックスには敵いませんが、使い心地や性能などの面で高い人気があります。
イソプレンラバー製コンドーム
ゴムアレルギーの人にも使いやすいコンドームの素材として、「イソプレンラバー(ポリイソプレンゴム)」もあります。こちらもゴムアレルギーの症状を引き起こすラテックスゴムは使われていません。
イソプレンラバーの素材の特徴は、もっちりとした使用感と熱伝導率の高さです。ポリウレタン製コンドームほど薄いコンドームは作られていませんが、ポリウレタン製コンドームよりも柔らかく、ラテックスゴム製のコンドームと近い質感を持っています。
また、熱伝導率が高いぶんお互いの体温を感じやすく、人肌の感触に近いのもイソプレンラバーの利点です。密着感が高く感じられるため女性支持率が高いほか、厚めのコンドームを使って射精までの時間をゆったりと持ちたい男性からも選ばれています。
ゴムアレルギーとコンドームの素材について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
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コンドームの素材別!特徴比較

コンドームは、素材ごとにそれぞれ違った特徴があることがわかりました。さらに、コンドームに求める強みや魅力ごとに、カップルにもっとも適した素材を紹介します。薄いコンドームや臭いがきつくないコンドームなど、ラブタイムをより充実させるためにこだわりたいポイントを追求してみましょう。
最薄コンドームは?
コンドーム選びの基準の一つとして、重視されやすいのは「薄さ」です。薄ければ薄いほど二人のフィット感、一体感がアップするような印象があります。
なおコンドームの素材によって限界となる薄さが異なり、もっとも薄いタイプを使いたい方には水溶性ポリウレタン製がおすすめです。素材別の最薄コンドームを比較すると、もっとも薄い商品はポリウレタン製の0.01mmとなっています。
ラテックスゴム製のコンドームは、現状0.03mmまでが最薄。イソプレンラバーは厚みが出やすく、0.06mmがもっとも薄い商品となっています。もしコンドームに対して一番に薄さを求めるのであれば、水溶性ポリウレタン製コンドームの中から探してみてください。
破れにくいコンドーム素材は?
素材の強度は、避妊や性感染症予防の観点からも見逃せないポイントです。伸びやすいラテックスやイソプレンラバーのコンドームは、比較的引っ張る刺激には柔軟に対応してくれるでしょう。反対にポリウレタン製コンドームは伸びにくく、巻きおろす際に破かないよう注意が必要です。
ただしラテックスゴム製コンドームは油分に弱く、オイル系ローションを使ったラブタイムには向いていません。油分が付着するとコンドームが破れやすくなるため、併用するのであれば水溶性ローションなどを選びましょう。
また、素材に限らず薄いコンドームはどうしても破れやすく、強度を重視するなら若干厚めのタイプを選ぶのがベターです。女性の潤いが足りない場合も、摩擦が強くなってコンドームが破れることがあります。ラブタイム中に渇きや引っかかりを感じたら、ローションなどで潤いの補充をしましょう。
さらに、間違った保管方法もコンドームの強度を下げるリスクになります。 正しい保管の仕方を知りたい方はこちらもご覧ください。
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臭いがきつくないコンドーム素材は?
素材によってコンドームの臭いの強さも違います。一般的に、ラテックス製コンドームは特有のゴム臭があり、苦手意識を持つ女性もいるでしょう。 一方、水溶性ポリウレタンやイソプレンラバーは臭いが気になりません。挿入時にコンドームの臭いが気になることは少ないかもしれませんが、コンドームフェラなどの際は顔を近づけるため、ラテックス以外を選ぶと快適でしょう。
また、ラテックスゴム製でも、良い香り付きのコンドームなど特有の臭いを軽減させた商品はあります。イソプレンラバーのコンドームなどはまだ店頭で手に入りにくいこともあるため、気軽に使えるラテックスで香り付きコンドームを使う選択肢も検討すると良いかもしれません。香りやフレーバーを楽しめるローションを追加するのも一案です。
つけやすい素材のコンドームは?
素材ごとでつけやすさの違いはほとんどないものの、厚みによってつけやすい・つけにくいと感じることはあります。特に0.06mmと若干厚さのある「SKYN」は、巻きおろしのしやすさが特徴です。
サガミオリジナルの商品は薄いぶん若干巻きおろしにくくなりますが、ブリスターパックでは取り出しやすく表裏を間違えにくいよう工夫されています。装着時に迷わずミスを防げるという点では、つけやすいという意見もあるようです。
ラテックス製コンドームとしては、テープを引っ張るだけで簡単に装着が完了する「すぐピタ1000」などもあります。実際のラブタイムで気になったことなどを話し合って、お悩みごとに合ったタイプを試してみると良いでしょう。もし厚さのあるタイプを使ってもつけにくいようなら、正しい装着方法をおさらいすることも必要かもしれません。
コンドームを付けるときって、意外と気を使いませんか?女性なら「早く装着してムードを壊したくない」と思うでしょうし、男性なら「もし付けるのに時間がかかったら恥ずかしい」と思ってしまうことでしょう。「すぐぴた」は、このような口には出しづらい悩みを解決してくれるコンドームです。
最大の魅力は、コンドームに付いているテープを剥がすだけで簡単に装着できることです。エッチに慣れていない初々しいカップルでも、安心して使えるのがいいところですね。
つけたときの気持ち良さは?
コンドームは、素材によって感じ方も異なります。とはいえ感じ方には人それぞれ好みがあるため、どれが一番気持ち良いコンドームだとは一概には言えないでしょう。気持ち良さ重視でコンドームを選ぶのであれば、素材ごとの感触や熱の伝わり方の特徴をもとに、自分の理想に合うものを探ってみてください。
薄さで伝わるフィット感に気持ち良さを感じる方には、ポリウレタン製コンドームがおすすめです。もっとも薄く作れる素材なので、お互いの温度がよりダイレクトに伝わりやすいでしょう。射精までに時間がかかりやすい遅漏の男性にも適しています。
もっちりと柔らかい感触が好みのカップルには、イソプレンラバー製コンドームがおすすめです。厚みはありますが、熱の伝導率が良く温もりも感じられます。
温感ゼリーやドット加工(粒々)などのプラスアルファの快感がほしい人は、ラテックス製を選んでみましょう。バリエーションも豊富なので、いろいろと試しながらマンネリせず楽しめます。
素材以外にも!コンドームの使用感が変わるポイント

コンドームは素材だけでなく、それ以外の要素によっても使用感が違ってくることがあります。なかなか自分たちに合うコンドームが見つからずに迷っているカップルは、素材以外の面にもこだわってみましょう。コンドームの使用感を左右する、素材以外の二つのポイントを紹介します。
コンドームに塗布されたジェル
コンドームには潤いをプラスするためのジェルが塗布されていますが、そのテクスチャによっても使用感が異なります。女性側に作用するもの、男性側に作用するもの、カップルのどちらにも作用するものの3タイプに分けて、特徴を見てみましょう。
・女性側温感ジェル
温感ジェルは、女性が心地良く感じられるタイプです。挿入すると膣の中が温まり、ジンジンとした快感が得られます。挿入時のコンドームのひんやり感が苦手な方にもおすすめです。
かわいいパッケージで女性が準備しやすいコンドームです。ホットゼリー付きで、じんわりと温かく心地良いラブタイムを味わえます。ステルスゼリーはコンドームの裏表両面に塗布されていて、カップルがお互いに気持ち良く感じられるジェルです。コンドームの装着感を限りなくゼロに近づけて、自然な使用感を得やすくなります。
「ゴムをつけている感じがしない」「摩擦による違和感がない」と、ラブタイムを堪能するカップルから驚きの声が上がり続けているZONE。なんといっても、コンドームの装着感がほとんどなく、ステルスゼリーのおかげでスムーズな挿入ができるのがポイントです。
性交中に「痛くなって中断してしまった……」と悩んだことがあるなら、一度試してみてはいかがでしょうか。男性側高粘度ゼリーは、強い粘度によって男性側のズレを防ぎ、フィット感を高めるジェルです。コンドームとペニスとを密着させることによって、刺激をダイレクトに感じやすくなります。
「ラブタイム中の彼に、もっと気持ちよくなってもらいたい……」、そんな女性に知ってもらいたいのが「バキューム密着」です。「バキューム密着」はサガミのコンドームのなかでも、特に密着感とダイレクトな刺激に優れているのが特徴。
サガミの他の製品と比べると、なんと85倍もの高粘度ゼリーが使用されているのです。実際に使ってみれば、エッチの後に「今日はいつもよりも気持ちよかった」と言ってもらうことができるでしょう。
フィット感が物足りない、もうワンランク上の快感がほしいなど、目的に合わせてジェルにも着目してみてはいかがでしょうか。
コンドームの形状
一般的なコンドームは、ナチュラルやストレートと呼ばれる形状のもので、筒の部分がストレートになっています。近年はナチュラルタイプ以外にも変わった形状のものが多く販売されており、フィット感や摩擦の具合など、感じ方もさまざまです。
たとえばスパイラル型やこけし型などの全体の形状が違ったり、ドット加工(粒々)、しぼりなどいろいろなアレンジが加えられたりしたものもあります。ドット加工一つとっても粒の大きさや範囲に差があるほか、しぼりにも一段しぼりや二段しぼりがあるなどバリエーションは豊富です。
普段のラブタイムにちょっとした変化を与えたいときには、こうしたコンドームの形状にもこだわってみましょう。
コンドームの素材にこだわってラブタイムの質アップ

コンドームは素材によって使用感が大きく変わるため、好みでないものを使い続けるのはもったいないことかもしれません。いつも同じコンドームを使っているカップルは、より高い満足度を求めて素材を変えたり形状を変えたりと、少し冒険してみてはいかがでしょうか。
素材や形に優劣はないものの、好みのものを選べると快感がアップします。二人に合うコンドーム探しは、ラブタイムの質を上げることにも繋がりそうです。ラテックス製コンドームはゴムアレルギーとも関係しているため、使用感の好みだけでなく、体にも合うものを見つけられるのがベスト。
アレルギーを持つ方はパートナーとしっかり話し合い、安全第一でラブタイムを楽しみましょう。

医療だけではなく、美容、タレント、モデルとして幅広く活躍している。著書に「あなたの魅力が10倍増すセックス」「夜のお悩み相談クリニック」の他、写真集「診て感じるクリニック」がある。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません