女性用コンドームのメリット
男性に頼らず避妊できる方法で、ピル(経口避妊薬)と異なりSTDを防ぐことも出来ます。
避妊(コンドーム・ピル)の悩み
今回は六本木ヒルズクリニックの産婦人科医、一倉絵莉子先生の監修のもと避妊方法の種類や特徴について解説します。避妊の正しい知識は女性の身を守るだけではなく、2人がラブタイムを不安なく過ごすためにも必要なことです。避妊方法は主に7種類あります。一度情報を整理してみましょう!
~主な避妊方法について~
コンドーム(男性用コンドーム)
女性用コンドーム
経口避妊薬(ピル)
殺精子剤
ペッサリー
子宮内避妊用具(銅付加装置)
子宮内避妊用具(黄体ホルモン放出システム)
最も避妊率が高いと言われる低用量ピルでさえ、避妊率は100%ではありません。しかも、STDを避ける避妊方法としては、ピルは必ずしもいいと思われるものとは言い切れないです。
日本では欧米と比べて手に入りやすく、装着方法も簡単な男性用コンドームが1番使用率が高いのでは?と思われます。
子宮内避妊用具は経産婦向きで、妊娠したことがない人にとっては適さなく、ペッサリーはつけ方が難しい。 そして両方とも費用がかなりかかり、医師の指導を受けなければなりません。また、STD予防の面からすると、感染の危険もあります。
ピルは低用量といっても副作用が若干あり、飲み忘れると避妊効果が無くなります。ホルモン注射はさらに副作用が多くなります。
また、生理周期で安全日を計算する「オギノ式(周期法避妊)」は正式には避妊方法とは言えないので、必ず他の避妊方法と併用するようにしてください。
性感染症予防を考えるなら、男性用コンドームでの避妊が1番。女性用コンドームは現在日本の市場ではほとんど見ることはありません。
コンドームの使用感、ゴムのニオイが苦手、ラテックス(ゴムの成分)アレルギーがあるという人にとっては、ラテックスではないポリウレタン製のコンドームもあり、若干お値段はお高めですがおすすめします。
ただ、コンドームは装着方法や、破けてしまう、途中で取れてしまうなど事故がありますので、取り扱いには注意が必要です。
念には念をいれたい人は、経口避妊薬(ピル)、子宮内避妊具、外用避妊薬または避妊溶剤(マイルーラなど)、ペッサリー、ホルモン注射・オギノ式などの、2つ、3つの避妊方法を組み合わせるといいでしょう。ただし、男性用コンドームと女性用コンドームを組み合わせることは避けてください。中で破れてしまいます。
コンドームは今は種類もいっぱい出てます。楽しく二人で選んでみるのも楽しいでしょう。大切な体を守って素敵なラブタイムを過ごしてください。
歴史の長い、日本で一番使われている避妊方法で、正しく使えば確率の高い避妊法です。そしてエイズなどの性感染症も防止できることが大きなメリットです。 コンドームは、殺精子剤やペッサリーのような他の避妊道具と併用することで、避妊効果がさらに高まります。
コンドームを利用した避妊効果は90%程度です。他の避妊用具と合わせると100%の避妊効果があります。最近では、いろいろなタイプのコンドームが登場しています。いろいろ試してみるのも楽しいでしょう。
コンドームは正しく装着しないとその避妊成功率はどんどん下がってしまいます。下記記事では間違ったやり方と、上手に装着するコツを紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
コンドームと聞くと皆さん男性が身に付ける物をイメージするかと思いますが、これは文字通り女性側が身に付けるコンドームです。
女性用コンドームはポリウレタンで出来ており、筒状の形になっています。装着方法は定位置に固定するためにリングがついていますので、小さいほうのリングを膣の中の子宮頸部に挿入し、大きいほうのリングは膣の外に出しておきます。女性用コンドームと男性用コンドームを併用することはできません。
男性に頼らず避妊できる方法で、ピル(経口避妊薬)と異なりSTDを防ぐことも出来ます。
女性用コンドームと男性用コンドームを併用すると破れてしまうので、必ず片方を選んで使うようにしましょう。
殺精子剤は、子宮頸をおおって妊娠を防ぐためのもので、クリーム・ゼリー状・錠剤・フィルム剤などの様々な形があります。
効果としては精子を殺したり、又は麻痺させたり、膣までの通行を不可能にしたりする働きを持つ化学的な避妊法です。
使用方法としては性行の前に殺精子剤を膣の奥の方に入れておきます。入れてから効果が出るのは5~10分ほど後で、1時間ぐらいの避妊が可能となります。
コンドーム及びペッサリーと共に使用すれば安全な避妊率が期待できるようになります。コンドームの内側にあらかじめ殺精子剤が塗布されたアイテムもあるようです。また、副作用もなく、希にアレルギーの可能性があるぐらいです。
単体で使用するにはタイミングが難しく、膣に入れた薬が効きはじめる時間に個人差があるため、安心しきって使えるアイテムとは言い難い点があります。さらに1時間だけの効果しかないので、殺精子剤だけではあまり高い避妊率を遂げられません。
また、体に毒…というわけではありませんが、洗剤のようなものなので、オーラルセックスは控えることをおススメします。
ペッサリーも女性用コンドームと同様で、女性側が身に付ける避妊道具です。形状は小さいゴムのお皿のような形をしています。
コンドームより厚みのある天然ゴムで作られたキャップで、使用方法としては膣内に入れて避妊を行います。そして常に殺精子剤(クリーム及びゼリー状)を付けてから性行為前に膣の奥に設置すると、精子が子宮に入れなくなります。
ペッサリーも男性の協力が必要なく出来る避妊方法で、STDを防ぐことが可能です。約9割の確率で避妊が可能だと言われています。また、使用方法を間違えなければ副作用も特に無いと言われています。
ペッサリーは子宮口のサイズに合ったものを選ばなければいけないので、市販はしておらず、医師に選んでもらう必要があります。また、慣れるまで装着するのも難しいとも言われています。
一般的に「ピル」と呼ばれる経口避妊薬には、女性の排卵を防ぐホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)が含まれております。
ピルを効果的に使うためには、女性が毎日同じ時間にピルを1錠飲まなくてはなりません。内服し忘れると排卵を起こしてしまうことがあり、避妊効果がなくなります。内服し忘れた場合は添付文書や医師に確認しましょう。
働きについては、合成ステロイド2種類(エストロゲン+プロゲステロン)により排卵が起こらないようになって、避妊効果が生じます。また月経痛やPMS(月経前症候群)を改善させる働きもあります。
欧米では20~40%の女性が避妊用ピルの内服をしています。日本での避妊方法の主なものは男性用コンドームや腟外射精といった男性主体のものであり、世界でもめずらしい方法となっています。
避妊用ピルにはSTDを予防できないなどデメリットもありますが、最近のピルは副作用もだいぶ軽減されてきており、医師の説明を受け正しく内服することで女性が主体的に避妊をすることができます。
また、時代の変化と共にオンラインで診療、処方をしてくれるマイピルというサービスも登場しています。
対面でないと不安と感じますが、マイピルであれば必ず産婦人科の医師が診療と処方を担当をするのでご安心ください。「忙しくて病院に行けない・・・」と諦める前に、自分の体のことを第一に考えましょう!
ピルの正しい使用方法については下記の記事も参考にしてみてくださいね。
子宮内避妊用具(銅付加装置)は女性自身の子宮内に直接避妊道具を装着する方法で、時にIUD、リングと呼ぶ方もいらっしゃいます。これを装着することによって、卵子と精子が受精する確率が低くなり、約95パーセントの避妊効果があると言われています。
一度装着をしてしまえば、約5年間はそのまま使用できるため避妊の煩わしさが無くなります。また、安全性も高く、定期検診のみで済むので女性は安心して使用ができます。
こちらも自分で購入することはできないので医師に装着をしてもらう必要があります。また、妊娠経験が無い方であると子宮が開きにくいのでオススメしない方法です。
子宮内避妊具には先ほどのIUDのほかにも、ミレーナという黄体ホルモンを放出することで、避妊効果を持つ装置があります。ミレーナもIUDと同じで約5年間装着することができます。
ピルは飲み薬のため副作用が現れることがありますが、ミレーナは子宮にのみ働くので、このようなデメリットがありません。また、ピルのような飲み忘れも防ぐことができます。さらに月経血が多い、月経困難があるといった方にもそれを軽減するような効果があります。
こちらも自分で購入は出来ず、医師に装着してもらう必要があります。また、場合によっては不正出血するケースもあります。
いかかでしたか?いろいろな避妊道具を知れば知るほど、男性用コンドームが最も手軽で体に負担の少ない方法だということを感じていただけたのではないでしょうか?
ただしコンドームも装着方法や、装着のタイミング、破けてしまう、途中で取れてしまうことで妊娠してしまうことがあります。また男性主体の避妊方法であるため、いつも男性側が装着するとは限らず、性交渉後に緊急避妊薬を希望する女性も多くいます。
そのため基礎体温法、コンドーム、経口避妊薬(ピル)、避妊具(IUD)、外用避妊薬または避妊溶剤(マイルーラなど)、ペッサリー、ホルモン注射などの、2つ、3つの避妊方法を組み合わせましょう。
また、女性の月経周期を計算するオギノ式は正しくは避妊方法ではないので、排卵日が遅れていれば妊娠する可能性は大いにありますし、同じように排卵が早くなってしまうことでも妊娠する可能性があります。しっかり他の避妊方法を組み合わせるようにしてください。
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日本産科婦人科学会専門医、一般社団法人日本女性医学学会会員。日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。現在は六本木ヒルズクリニックにて診療を行っている。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません