網代本手（あじろほんて）は、仰向けで開脚した女性の間に男性が入り、上体を前に倒して、密着しながら挿入する体位。最もポピュラーな体位の1つで、男女ともに「一番絶頂しやすい体位」という声も多く人気です。またキスをして愛情をたっぷり感じながら繋がれる点も女性支持が高い理由の一つで、セックスでは必ず網代本手をするというカップルも多いことでしょう。

しかし四十八手における正常位は「達磨返し」や「深山」などで、図を見ると「普通のやり方と違う…？」と感じることも多いのではないでしょうか。実は一般的な体位は通常の四十八手にはなく、裏四十八手の「網代本手（あじろほんて）」という体位がそれに当たるのです。

それではセックスの基本の体位である「網代本手」の特徴や腰の動かし方のコツを、これから詳しく紹介します。

網代本手(あじろほんて)とは「女性があおむけに開脚した状態で男性が挿入する体位」のことで、とてもオーソドックスな体位です。体位や48手と聞いたときに、多くの人が最初に思い浮かべるのはこの姿勢かもしれません。

実は私たちが普段行っている網代本手が紹介されているのは、通常の48手とは全く異なる「裏四十八手」。

裏四十八手とは、相撲の四十八手をなぞるようにして作られた四十八手の裏版。有名なのは江戸時代に菱川師宣の「恋のむつごと四十八手」という本に掲載された表の四十八手ですが、そこで紹介しきれなかった様々な体位が、同じ作者の書いた「好色いと柳」という本で裏四十八手として扱われています。

そんな裏四十八手の「網代本手」は、二人の上体が密着した体位です。挿入したままキスや首筋のペッティングができるので、男女そろって気持ちいい体位の1つ。セックスの基本スタイルでもありますから、最初にする体位としてもオススメです。

また網代本手と同様に、女性が絶頂しやすい「松葉崩し」という体位もあります。松葉崩しは交差位の一種で、網代本手から体位を変えるときに試しやすいのが特徴です。深山などのベーシックな体位だけでなく、体位の幅を広げられる「松葉崩し」のやり方も知っておくといいでしょう。下記記事で紹介するやり方を、ぜひ参考にしてみてください。

松葉崩しに挑戦！やり方と交差位のコツを動画解説！小室友里さん直伝【ラブコスメ】

「網代本手」は、女性が仰向けで横になり、男性が覆いかぶさるようにして挿入する姿勢の体位。お互いに正面に顔を向けてエッチできるので、お互いの顔がしっかりと見えて、キスもしやすい体位になります。

たくさんのキスをしながら挿入できるのが網代本手の特徴なので、愛情を感じやすいこともメリット。愛情や安心感を感じながらエッチすると疲れにくく感じませんか？特に男性はセックスで沢山の体力を消費しますが、相手のために頑張ろう！という気持ちになりやすい体位こそが網代本手です。

キスだけでなく、挿入しながらたくさんの愛撫もできます。お互いに首や耳、乳首を攻めることも簡単。複数のポイントを同時に刺激できるので、あらゆる場所から快楽が迫ってくるような感覚でエッチができますよ。

挿入直後のタイミングで試したいのは、足を絡めて彼の男性器がなじむまで静止すること。挿入してから少し時間を置くと、男性器が女性器にフィットします。網代本手の一体感がさらに強まるので、ぜひ一度試してみてくださいね。

なお、正常位の動き方や気持ちよくなるコツについては、下記記事にも詳細がまとめられていますので参考にしてみてください。

正常位の気持ちいいやり方とは？女性がイキやすい挿入角度での入れ方のコツ | 夜の保健室

網代本手は、セックスの冒頭に向いている体位です。挿入のスタートが網代本手で違和感を覚えるという方は、男女を通じてほとんどいません。最初から最後まで網代本手だけで済ませるカップルも多いので、網代本手に向けた準備を前戯からはじめましょう。

最終的に女性が仰向けになればいいので、前戯の種類は何にでも対応できます。体を預けてイチャイチャしていても良いですし、クンニされている最中でも「欲しい」と一言だけ伝えれば、スムーズに網代本手がはじまります。

フェラをしていても、そろそろセックスがしたいと思ったらやめて、横になるだけで大丈夫。他のどんな体位も同じですが、しっかりと女性が濡れて、男性が勃起しているかどうかだけ確認しておけば、障害になるものは何もありません。

網代本手で挿入するときは、男性は膣の位置を確認しやすいので、バックなどの体位と比べると挿入が簡単なはず。彼女の膣の位置がわかるようになったら、見つめ合ったり、キスをしたりしながら挿入にチャレンジしてみましょう。それだけでムードが最高潮に高まります。

網代本手では女性が受け身に回るので、角度や深さの調節は男性が行います。感じやすい場所や角度は、女性によって個人差が生じるもの。決めつけて1ヶ所を攻めるのではなくて、女性の反応を見ながら、とくに感じやすい場所を探してみてくださいね。

また、ズンズンといきなり奥まで突かずに、彼女が痛がっていないか確認しましょう。「痛くない？」と聞くと、女性は安心感を覚えます。お互いが網代本手で絶頂するほど感じるためには、ちょっとした気配りが大切なポイントです。

網代本手で基本となる男性の攻め方は、女性の「Gスポット」を狙ってピストンすること。Gスポットは、膣の入口からすぐ上あたりにある女性がとくに感じやすい性感帯の1つで、コツを掴めば男性器の大小にかかわらず刺激を与えられます。

いわゆる「上向き」の男性器なら、普通に網代本手で挿入しただけでもGスポットを刺激できますが、ペニスの形が一直線など上に向かって反り返っていない場合は、ちょっとだけ女性の腰の位置を変えるのが網代本手のコツです。

セックスの途中で腰を掴んで抱え、彼女のお尻を浮かせるような形で腰振りをしてみましょう。こうすると彼女の体勢が山なりになるので、ストレートな男性器でも、腰振りすると上向きの刺激を与えられます。

ここで覚えておきたいのが、Gスポットの周辺には膀胱や尿道があること。この2つは膣の上側にあるので、Gスポットを刺激しているつもりが、実はそれ以上に膀胱や尿道へ刺激が加わっていることもあるのです。

網代本手の最中に、女性が「おしっこに行きたい！」という感覚を持つことがあるのは、実はこのため。尿道や膀胱が刺激を受けてムズムズし、尿意を感じたように錯覚してしまうというメカニズムです。

ですから、尿意を感じてセックスを中断したのに、トイレに行ってみるとおしっこが出ない！ということも起きるのです。

よく「尿意を我慢せずに続ければイける」「そのままやると潮吹きできる」と言う人がいますが、これは完全な誤解。オーガズムや潮吹きには、尿意を伴わないことが多いので、違和感がある時は自ら腰を少し動かしたり彼にサインを出して角度を変えてもらいましょう。

なおGスポットの相対位置は、人によって違うことも知っておきましょう。たとえば膣が上付きの人は、子宮が斜め下に下がった位置にあるので、網代本手で挿入されたときにGスポットを刺激されやすいです。

一方で膣が下付きの人は、膣とペニスの高さがほぼ同じになるので、Gスポットよりも四球を刺激しやすいようになります。膣が「上付き」か「下付き」なのかを判別したい方は、下記記事も参考にしてみてください。

下付きの膣、上付きの膣は位置や角度で判別できる！上つきか下つきかでイキやすい体位に違いも | 夜の保健室

網代本手はオーソドックスな体位なので、アレンジできる体位の種類も盛りだくさん。カップルの好みやちょっとした好奇心から好きなものを選び、挿入したまま体位を変更しやすいこともポイントです。

網代本手からどの体位に移るかは自由ですが、四十八手の「深山（みやま）」、裏四十八手の「揚羽本手（あげはほんて）」の2種類は、とくに網代本手から変形しやすい体位として知っておくと便利です。

まず「深山」は、女性の両足を男性の肩に乗せ、腰を浮かせた姿勢で挿入する体位です。深山のメリットは、網代本手よりも深く、上向きに挿入できること。少しアクロバティックな体勢なので、網代本手で盛り上がった後に行うとスムーズですね。

揚羽本手の姿勢は網代本手と変わりません。何が違うのかと言えば密着感。女性が両足を男性の腰に絡めて、がっしりとホールドした態勢が揚羽本手になります。現代では「だいしゅきホールド」とも呼ばれます。大好きな気持ちを伝えやすい体位ですし、イキそうになったときの合図にも使えます。

網代本手でのセックスは基本中の基本なので、王道として感じやすい一方で、刺激が薄れて飽きてしまうことも。マンネリにしないためにも、こういったアレンジを加えながら挿入して、お互いに気持ちいい体位を見つけてみましょう。

網代本手は正面同士で向き合えるので、愛撫の仕方もさまざまです。キスをして愛を伝え合ってもいいですし、男性は女性の髪を触ったり、頭を撫でたりしても良いですね。耳を舐めたり、言葉責めしたりする際にも、網代本手はとても向いています。

網代本手をキスで盛り上げたい時は、「ディープキス」「耳キス」「首筋キス」の3つがおススメ。ディープキスをする時は、彼女の頭の横に両肘をつき姿勢を低くするとやりやすいです。彼女の頭を枕に押し付けるように、貪るような情熱的なキスをしましょう。

そしてその姿勢のまま、横に唇をスライドさせれば耳キスをすることができます。彼女が感じて頭を横に向けるしぐさをした瞬間を狙って、耳に唇を押し当ててキスをするのもいいでしょう。

普段よりも大胆になれるセックスの最中なら、愛情表現が苦手な男性も「かわいい」「大好き」といった言葉をかけやすいかもしれません。女性は愛を感じるほど体も感じやすくなることが多いので、耳キスの合間に耳元で日ごろの想いを伝えてみましょう。

耳をたっぷり責めたら、少し顔の位置を下げて首筋にもキスをしましょう。キスマークを付け合うのが好きなカップルは、この網代本手の体位の時に首筋にキスマークをつけるのがスムーズです。

乳首舐めも網代本手との相性がぴったりです。身長差にもよって違いますが、体を折り曲げると顔の目の前におっぱいが来るというカップルも多いのでは？網代本手で腰を振りながら乳首を攻めれば、2点を同時に刺激された女性はもうたまりません。

挿入中に指を使えば、中とクリトリスの両方を同時に攻めることも可能。爪を立てず、指の腹をクリトリスに沿わせて、軽く擦ったり、ピストンに合わせて這わせたりしましょう。両方の感度が高い女性なら、短い挿入時間でもオーガズムを感じられるかもしれません。

一方女性側も網代本手の最中に男性に愛撫をすると、さらにセックスが盛り上がります。首筋や耳元にキスをしたり、耳元で愛をささやくのもいいでしょう。しかし男性視点で見ると、網代本手の良さは「感じている彼女の顔を思う存分観察できる」というところにもあるのです。

彼にお返しをして気持ちよくしてあげるのもいいですが、彼が入っている感覚に集中して、思う存分快感に身を任せて、彼にしか見せない表情を沢山見せるだけでも男性は興奮がアップしますよ。

網代本手でセックスしているときに注意したいのは、女性に圧力がかかることです。男性にとっても気持ちいい体位なので、つい夢中になってしまいがちですが、油断すると全体重が女性にかかってしまいます。

とくに男性の体格ががっしりしている場合には要注意。体重が分散されるように、膝に重心を置いたり、両腕や片腕をベッドに置いたりしながら、女性を押しつぶさないように意識しましょう。

網代本手は男性が常にピストンを続ける体位なので、男性に負担がかかり、疲れやすいことも注意点です。しかし、男性は網代本手で疲れても素直に申告できないもの。ピストンのペースが弱まってきたら、女性から体位の変更をお願いすると良いですね。

先ほど紹介した「深山」などの体位は網代本手の応用なので、それよりも男性への負担がかかりにくい騎乗位に移行するのがベストです。女性が主導権を握れるので、気持ちいいポイントに調整して挿入もできます。

また、網代本手は男性にとってとくにイキやすい体位です。すぐに終わってしまうことに悩んでいるなら、深いピストンを続けずに、ゆっくりとした浅いピストンも混ぜましょう。抑揚もつくので、女性の気持ちよさも高まっていきます。

深山（みやま）のやり方！屈曲位の深山本手の体位を48手の図解で解説【ラブコスメ】

女性から見れば、「網代本手」は受け身になる時間が多いことは確かです。積極的な女性にとって少し物足りないかもしれませんが、キスで愛情を感じられ、さまざまな形で愛撫も受けられるので、彼に身を任せてみましょう。

何と言っても、網代本手なら彼の感じている顔をすぐ近くで見ることができます。大好きな人の顔がすぐ近くにあって、吐息や胸の鼓動が聞こえてくるような体勢でのエッチには、他の体位では感じられない価値があるはずです。

網代本手でも、女性が受け身になることだけがすべてではありません。彼の乳首を舐めたり、首筋や耳元を舐めたりして刺激すれば、彼をさらに興奮させられるので、途中で萎えてしまうようなリスクも下げられます。

大胆に攻めるのが恥ずかしければ、彼の耳元で吐息を漏らすだけでもOK。女性が感じている様子は、男性にとって一番の燃料になります。ハアハアという声を聞かせるだけでもゾクゾクして絶頂する男性は少なくありません。

裏四十八手に登場する「網代本手」は、現代で世界中のカップルが行っている体位。オーソドックスなやり方ですが、奥深さがあり、顔と顔を近付けて密着しながら挿入できることがポイントです。

網代本手のアレンジとしては、男性の肩に女性の両足をかけて腰を浮かせる「深山」、女性が両足を男性の腰に回してホールドする「揚羽本手」がオススメです。気分やコンディションによって織り交ぜることで、マンネリも阻止できます。

網代本手は古くから、人間がするセックスの基本形として親しまれてきました。愛撫しやすくイキやすい、バランスの取れた体位でもあります。セックスに限らず、物事のすべては基本から。カップルで網代本手を極めて、エッチのレベルをもう一段高めてみませんか？

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。