夜の保健室大辞典大江戸48手
『橦木反り(しゅもくぞり)』は背面騎乗位の変化形で、とてもアクロバティックな体位です。
撞木(しゅもく)とは鐘を叩く時に使うT字型のカナヅチのような道具のこと。両目が飛び出ていて水族館でおなじみシュモクザメもこの撞木に由来しています。
男性が仰向けで横たわり、女性がまたがる騎乗位のシルエットを撞木に見立てて、女性が後ろに反り返った姿は、撞木の柄が反っている形に見えることから撞木反りと名付けられたと考えられます。
それだけではなく、実は相撲の決まり手にも「橦木反り」はあります。相撲の橦木反りは、相手の懐に入って横向きになるように肩で担ぎ上げて、そのまま後ろ側に倒す技です。技の難易度が高いのが特徴で、相撲の公式試合でもほとんど使われたことはありません。
「相撲の橦木反り」と「48手の橦木反り」は、上級者向けの技であるという点が共通しています。「48手の橦木反り」は体勢的に挿入が浅くなるので、「男性器の長さ」と「動き方」が重要です。
撞木反りはアクロバティックで、挿入が浅いため上級者向けの体位。
体位の見た目が刺激的なので、鏡ごしに見る二人の姿はとても官能的。「あぁ…私たち、こんな格好でセックスをしている…」っと思わず恥ずかしくなってしまうかも。それだけに、情熱的なセックスの演出にピッタリなのが、この撞木反りなんです。
二人の息を合わせてできる体位なので、セックスの一体感をさらに高めてくれます。
撞木反りはまず、女性が男性に背を向けて挿入する背面騎乗位の姿勢になり、女性の下半身はM字開脚の状態になります。そこから女性が男性の方に向かって体を倒し、両ヒジで上半身を支えます。
男性は女性の背中や肩を両手で支えてサポート。男性の足をまっすぐ伸ばせば撞木反りの姿勢になります。
後櫓のやり方は、撞木反りは膣が十分に濡れていないと挿入しにくいため、別の体位から撞木反りへ移行するのに向いています。
例えば『絞り芙蓉(しぼりふよう)』や『鳴門(なると)』、『本駒駆け(ほんこまがけ)』、『乱れ牡丹(みだれぼたん)』は背面騎乗位や背面座位の体位なので、撞木反りをする前後の体位におすすめです。
また男性も勃起が甘いと抜けやすいので、十分に勃起している必要があります。
撞木反りは挿入が浅い体位ですので、姿勢を完成させてから挿入するよりも、背面座位や背面騎乗位で挿入したまま撞木反りの姿勢へ移行した方がスムーズです。
撞木反りへ移行するときに押さえておきたいポイントは2つ。
1. 男性は足をまっすぐ伸ばしましょう
男性が足を曲げたり広げたりすると、女性は足を置く場所が無くなってしまいます。
2. 女性は足を広げて深い挿入を保ったまま体を後ろに倒しましょう
足を広げた方が深い挿入を維持できるので、途中でペニスが抜けにくくなります。
撞木反りは横向きの膣口に対して、斜め上方向にペニスが挿入されるため、Gスポットを刺激しやすいのが特徴です。
挿入が浅いぶん、ペニスのカリがGスポット付近を集中的に刺激するため、男女ともに快感を得やすいというメリットも。
撞木反りは女性が姿勢を維持することに専念して、男性が腰を突き上げるようにピストンします。
男性は足をあまり広げることができないため、腰を動かしにくいという難点があります。女性は少し腰を浮かせて、男性はヒザを少し立てれば、男性が腰を動かしやすくなります。
女性は姿勢を保ちつつ、男性のピストンをアシストするため少し腰を浮かせる。男性は女性の上半身を両腕で支え、下から突き上げる力強いピストンで楽しむ。女性と男性の息が合わないと成立しない体位だけに、安定してピストンで来た時の一体感はぜひ体験して欲しいところ。
アクロバティックな撞木反りにアレンジを加えると、よりスポーティーな撞木反りが楽しめます。
そのアレンジとは、女性は腰をさらに持ち上げて、ブリッジのような姿勢になります。
そうすることで、男性は両足を少し広げることができ、ピストンが楽になります。ピストンのストロークも長くなり、勢いのある力強いピストン運動で快感はさらにアップ。
そのかわり女性への負担がさらに大きくなるので、一時的な体位の変化を楽しむ程度にしましょう。
撞木反りはとてもアクロバティックな体位ですので、ソファーやベッドの端など不安定な場所ではなく、ベッドの中央でチャレンジしましょう。
撞木反りの姿勢にこだわるあまり、無理は禁物です。女性が上半身の体重を支えきれなくなり、姿勢を崩すと女性の後頭部が男性の顔面と衝突する恐れがあります。
また女性の髪が長いと、髪が男性の顔にかかるため目が開けられなくなってしまい危険です。ヘアゴムで髪を束ねるか、さらに背中を反らせて男性の顔の横に自分の頭を置きましょう。
撞木反りは女性への負担が大きく、姿勢を保つのがとても大変。女性から見えるのは天井だけ。
女性にとって一見つまらなそうに思える撞木反りですが、最大のメリットはGスポットを重点的に刺激できるところ。男性との肌の密着度が少ないため、膣内の刺激に意識を集中しやすい体位です。
男性は視覚的なエロスに興奮するもの。撞木反りのようなアクロバティックな体位は、男性の欲情を掻き立てる引き金になるかもしれません。
それだけではありません。撞木反りを実践すると、男性はさほどの苦労もなくテクニカルなセックスをしている気になれる効果があります。
撞木反りへの移行は女性に主導権があります。女性側からの誘導によって、男性は高難度の体位で女性を悦ばせているという錯覚から自尊心が満たされると、次の体位で女性が頑張った以上に男性が頑張ってくれるはず。
ここで撞木反りのメリットをおさらいしましょう。
撞木反りのメリット
撞木反りへの移行は女性に主導権がある
Gスポットを重点的に刺激できる
体位のビジュアルが官能的
男性の自尊心を満たすことができる
男性への負担が比較的少ない
男女の息を合わせて成功する体位なので一体感がある
撞木反りのデメリットを挙げると
撞木反り のデメリット
女性への負担が大きく、長時間続けられない
挿入が浅く、ペニスが抜けやすい
腰が動かしにくく強い刺激を与えにくい
女性が姿勢を崩すと危険
強い勃起、膣内が十分に濡れていないと挿入が難しい
女性への負担が大きい撞木反りですが、セックス中のギアチェンジとして取り入れる価値はあります。
女性は挑発的な姿勢になり、体位の見た目も官能的。マンネリを打破して、再び燃え上がるようなセックスに期待して、女性側から撞木反りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
同じく上級者向けの体位としては「駅弁」もお勧めです。詳しくは下記記事も参考にしてみてください。