『寄り添い（よりそい）』とは読んで字のごとく、男性と女性が一緒に横になって寄り添うことです。

48手と言われると体位のことをイメージする方が多いと思いますが、前戯や後戯の技として寄り添い以外にもいくつかあります。

セックスではお互い寄り添うだけでも、その後のセックスの興奮度は格段に違います。江戸時代から寄り添うことの大切ゆえ48手に数えられた寄り添いはセックスにおいて外せない技の１つです。

寄り添いはいたって簡単です。服を着ていても裸でも構いません。

ただ男性と女性が横たわるのではなく、愛の言葉を交しあったり、キスをしたりしてお互いの愛情を交換する作業が寄り添いです。

セックスの雰囲気作りのステップだと思い、省略しないように心がけましょう。

寄り添いは挿入技ではありませんが、これは立派な技です。なぜなら、寄り添いは男女がお互いを心で抱き合う技術だから。

セックスは、ただお互いの快楽を追求するものではありません。愛を確かめ合い、愛を深め合う、心と体のコミュニケーションこそがセックスであるなら、この寄り添いは何よりもセックスの本質を体現した技と言えます。

寄り添いの真髄は目の前のパートナーを愛情深く包み込むことです。

寄り添いは前戯の入り口、セックスのスタート。何事も最初が肝心。スタートからしっかりと愛と興奮を昂ぶらせることができれば、寄り添いは成功です。

寄り添いは前戯でも後戯でも使える技です。基本的には

男性なら女性の頭を優しく撫でる、胸やデリケートゾーンをマッサージする、首や耳、太ももや腕をフェザータッチして興奮を高めていきます。

女性も同様に男性の頭や胸板、太もも、ペニスを撫でたり、男性の胸の上に頭を置いて安心感や幸福感を得るのも立派な寄り添いです。

男性はセックスに対して視覚的なエロス、触覚的な快感を追い求めてしまうあまり、前戯をおろそかにしがちです。一方で女性はセックスに対して快感はもちろんのこと、精神的な満足度を重視する傾向があります。

男性はセックスで女性を満足させるためには、たっぷり時間をかけて、心を込めて前戯と後戯をすることが重要。そうすることで女性の満足度を高められ、ひいては自分の快感につながります。

男性は女性を腕枕したり、体を抱き寄せてお互いの体温を感じ合いましょう。

女性は男性の首に手を回してギュッと抱きついたり、横向きになって片足を男性の下半身に乗せて体を密着させてみましょう。

普通に寄り添うよりも体の密着度が増して、より興奮が深まっていくのを感じることができるはず。

寄り添いの基本姿勢は言葉通り、男性と女性が寄り添って横になることですが、手や口を使って耳や首、デコルテ、胸を愛撫する触覚的快感を与えるのも効果的。

最初から貪るような激しいものではなく、優しく、ゆっくりと時間をかけて徐々に刺激を深く、強くしていくことで気分を盛り上げていきましょう。

時には動作を止めて焦らすことで、お互いを求める気持ちが大きくなり、寄り添いの後につながる前戯の感度が増します。

男性が女性に覆いかぶさって、キスしたり、胸やデリケートゾーンをマッサージするのは、厳密には寄り添いではありません。この姿勢は正確には『鶯の谷渡り（うぐいすのたにわたり）』で、別の48手に分類されています。

寄り添いはあくまで寄り添い。冒頭でも触れた通り、寄り添いは愛撫ありきの前戯ではなく、官能的で情熱的なセックスをするファーストステップ。

雰囲気作りはセックスで大切な要素の一つ。なるべく寄り添いは省略せず、二人だけの時間を大切にしたいものです。

鶯の谷渡りのやり方

女性にとって寄り添いは、男性の愛情やセックスに対する態度を見極める良い機会です。

一概には言えませんが、男性が女性を本当に大切に思う気持ちが強ければ、寄り添いを含めた前戯を疎かにしません。女性の体の隅々まで愛してくれる男性は、その女性のことをきっと大事に思っていることでしょう。

寄り添いには主導権などはありません。寄り添いで得られる甘美な雰囲気を楽しみながら、少し積極的な自分を見せるだけでも、男性はその後の展開に期待が膨らむもの。

恥じらうのもよし、大胆になるのもよし。寄り添いの時には、あなたの気持ちを瞳や言葉、手足で伝えましょう。

寄り添いは単純に男女が横たわるだけではありません。江戸時代から48手に数えられた寄り添いには、より良いセックスをするための重要なテクニックの一つ。

寄り添いはお互いの愛情を確かめ合い、愛情を深める重要なステップ。できれば、寄り添い合うことで言葉や態度、手足、瞳、そして熱を帯びた唇で心と体を通いあわせることで、官能的で幸福感のある雰囲気を作ってから前戯、挿入へと続けたいところ。

寄り添いをしてからセックスをするのとしないのとでは、セックスで得られる満足感、安心感、そして快感でさえ大きく違うでしょう。

寄り添いにデメリットはありません。

強いて言えば、想いもなく、ただ「寄り添いはやった方がいいからやっている」という当事者意識のない寄り添いは時間の無駄です。そうした態度をとるパートナーとはセックスはおろか、お互い一緒にいること自体も楽しめないのではないでしょうか。

48手の中で体位や前戯のテクニックではなく、雰囲気作りとして数えられているのは寄り添いだけです。

セックスはテクニックよりも相手への気持ちがもっとも大切。寄り添いから始めるセックスで普段伝えられない気持ちを伝えてみましょう。

前戯のやり方

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。

網代本手 / 岩清水 / 浮き橋 / 鶯の谷渡り / うしろやぐら / 押し車

雁が首 / 菊一文字 / 首引き恋慕 / 御所車 / こたつがかり / こたつ隠れ / 碁盤攻め

しがらみ / 敷き小股 / 時雨茶臼 / 絞り芙蓉 / しめ小股 / 撞木ぞり / 獅子舞

宝船 / 抱き上げ / 抱き地蔵 / 立ち鼎 / 立ち花菱 / 立ち松葉 / 達磨返し / 千鳥 / 千鳥の曲 / 茶臼のばし / 燕返し / つぶし駒掛け / つり橋 / 手懸け / テコがかり

鳴門

百閉 / 鵯越え / 鵯越えの逆落とし / 二つ巴 / 仏壇返し / 帆かけ茶臼 / 本駒駆け / 本茶臼

松葉崩し / 窓の月 / 乱れ牡丹 / 深山 / 椋鳥

櫓立ち / 流鏑馬 / 寄り添い

理非知らず /