『本駒駆け（ほんこまかけ）』は背面座位のバリエーションの48手の一つ。48手の背面座位は他にも『絞り芙蓉（しぼりふよう）』、『乱れ牡丹（みだれぼたん）』、『鳴門（なると）』、『手懸（てがけ）』がありますが、本駒駆けはこの中で一番力強いピストンができます。

駒とは仔馬や若く元気な馬のこと。本駒駆けは草原を颯爽と疾走する馬のように男性が力強くピストンし、男性にまたがる女性は乗馬をしているかのように体全体が上下に揺さぶられるハードな体位です。

「本駒駆け」、「乱れ牡丹」、「絞り芙蓉」の3つは姿勢だけ見るとどれも似たように見えるでしょう。しかし、それぞれ男性の足腰の位置が少し違うところがポイント。

この3つの違いとは、主導権がどちらにあるか。乱れ牡丹は男女ともに主導権を取ることができます。絞り芙蓉は女性がピストンを主導。そして本駒駆けは男性が主導権を握ります。

この3つの体位だけでセックスが成り立ちます。乱れ牡丹で挿入し男女ともに協力してピストン。そして絞り芙蓉では、女性が大胆な腰の動きで男性を妖艶に刺激。最後に女性の頑張りに応えるように、男性が本駒駆けで渾身のピストンからのフィニッシュ。

男女がそれぞれのシーンで活躍できて、お互いが一緒に気持ちよくなれるストーリーができました。背面座位だけで語り合う心と体のコミュニケーションをぜひ楽しんでみてはいかがですか？

本駒駆けは通常の背面座位と同様でとても簡単。

座位の姿勢になったら、もっとも大切なことが1つ。それは男性が後ろ手をついて、両ヒザを曲げること。シンプルなポイントですが、この姿勢になることで若馬のようにパワフルで素早いピストンができるようになります。

本駒駆けは女性の体ごと持ち上げるほどの力強いピストンを、素早く繰り出すような激しいセックスができます。

激しく力強く、そして素早いピストン。それは男女にとって嬉しいことですが、前戯が足らず最初から本駒駆けをすると、女性が膣に痛みを感じてしまう恐れが。

どんな体位にも言えることですが、しっかりと前戯をしてペニスと膣をよく濡らしてから本駒駆けを始めましょう。

愛液はペニスの潤滑油のような役割を果たし、本駒駆けならではの激しいピストンを余すことなく楽しめます。

背面座位は前後の体位を組み合わせが豊富な体位で、セックスの中盤に取り入れると最適です。

正常位以外の体位からペニスを挿入したまま本駒駆けに移行できて、48手に限ってもこれほど多くの体位との相性に優れています。

本駒駆けは挿入も簡単。軽くヒザを曲げて座った男性の上から、女性が背を向けてしゃがみこんで挿入するだけ。

挿入を果たしたら、女性は軽くヒザを曲げて両足をベッドにつきます。両手を男性の両ヒザに添えると少し腰を浮かせやすくなります。

女性が腰を少し浮かせることで密着感が失われるかわりに、本駒駆けの名の通り馬力のあるピストンが可能になります。

男性は体を立てて腰を前後に動かすよりも、体を倒して腰を上下に動かす方が圧倒的に楽。

正常位や後背位のように男性が体を起こして腰を動かす場合、加速とブレーキを小刻みに繰り返す必要があります。ところが男性が体を横にしている状態では、重力とベッドの反動を利用して、少ない力で力強いピストンができるようになります。

ここで女性が腰を浮かせることで、男性は女性の体重から解放され、さらに腰を動かしやすくなります。

それだけではありません。本駒駆けがすごいのはここからです。

本駒駆けは男性がヒザを曲げて座っている状態になりますが、この姿勢は力強いピストンを可能にします。

全身の筋肉を効率よく使用でき、フルパワーのピストンが繰り出せるようになります。

本駒駆けでピストンを始めれば、部屋中に肌と肌がぶつかる乾いた音が大きく鳴り響くと同時に、女性は喘ぎ声を我慢することが難しくなるでしょう。

力強く素早いピストンができる上に、深い挿入もできるため男女ともに強い快感をたっぷり味わうことができます。

ただし、女性の膣が上付きの場合は、下付きの場合と比べると挿入が浅くなる可能性があります。「本駒駆け」のような背面座位に影響する膣口の位置について確認したい方は、一度下記記事も参考にしてみてください。

下付きの膣、上付きの膣は位置や角度で判別できる！上つきか下つきかでイキやすい体位に違いも | 夜の保健室

本駒駆けのポテンシャルをさらに引き出すアレンジを紹介。

この本駒駆けのアレンジは48手の中でもっとも強い快感を得ることができる、まさに究極のピストンが可能に。本駒駆けにチャレンジしたら必ず取り入れたいアレンジです。

やり方は女性が男性よりも大きく足を広げて、体を前に倒し、両手をベッドにつきます。相撲の立会いの瞬間、「はっけよ～い」の時の力士とよく似た姿勢です。

こうすると女性も自然と腰が浮き、負担も少ないため長く姿勢をキープできます。男性も奥まで挿入した時に、女性を腰で持ち上げるような負荷が格段に軽くなるので疲れにくくなります。

深い挿入感と力強く素早いピストンを繰り出せるだけでなく、お互いに楽な姿勢になれることで、腰の動きに慣れた男性なら高速ピストンを披露できるでしょう。しかも男女ともに疲れにくいので長い時間楽しめるようになります。

女性の腰が縦になっていることから重力で子宮が降りると、ただでさえ深く挿入できる上にポルチオを刺激しやすくなります。膣口に対してペニスの挿入角度がつくことで、裏Gスポットにも強い刺激を与えられます。

このアレンジは、ピストンで得られるあらゆる要素を極限まで高めた究極のピストンで、膣内の性感帯を強く、激しく刺激できます。中イキを初体験するきっかけになるかもしれない、おすすめのアレンジですので、ぜひチャレンジしましょう。

残念ながら本駒駆けで男性からの愛撫は期待できません。

女性は自分の手で乳房や乳首、クリトリスを刺激しつつ挿入を楽しめますが、もともと刺激が強い体位ですので、自らを愛撫する必要はないかも。

女性が男性を愛撫するなら、片手で男性の玉袋を軽く刺激するのが効果的。

男性の腰が大きく動くので、玉袋に軽く手を添えるだけで、男性に十分なほどの刺激を与えられます。

本駒駆けはハードなピストンができる反面、ポルチオ開発されていない女性にとってはおすすめできません。とても奥まで挿入できる上に、子宮口を連打するような刺激が簡単にできてしまうので、奥に挿入されて痛みを感じる女性には不向き。

逆に言えば、ポルチオが気持ちいいと感じる女性にとって本駒駆けは、この上なく気持ち良い体位と言えるでしょう。

本駒駆けの姿勢で、女性から男性の姿はほとんど見えません。体の密着感もほとんどありません。男性からの愛撫も期待できず、幸福感や安心感で満たされることはないでしょう。

それでも本駒駆けはそれらを補って余りある魅力があります。激しいピストンによって体中を駆けめぐる快感はすさまじく、不意に漏れでる喘ぎ声と肌と肌が激しくぶつかる音が二人だけの空間を支配します。

早まる鼓動と吐息は疲れと興奮のどちらのせいか分からなくなるでしょう。

盛る男性の野生的で暴力的なピストンを体で受け止め、悦楽の道を駆け抜けて行き着く先は絶頂かもしれません。

本駒駆けは男性主導の背面座位で、48手以外のあらゆるセックスの体位の中でも最高の快感を得られる体位の一つ。

その理由は本駒駆けのメリットを見れば一目瞭然。

見ての通り、ピストンに関するメリットが多いことに気がつくでしょう。本駒駆けは男性の力強く素早いピストンで膣の奥深くまで刺激できる、ペニスによる快感に特化した体位。

男性は快感のあまり一度動き出した腰を止めるのは難しく、女性はいつまでもこの快感が続くことを願う、二人が果てるまで続けたくなる本駒駆け。

本駒駆けの姿勢で繰り出される究極のピストンを余すことなく堪能するには、女性の膣トレと性感帯開発が不可欠。この快楽を知らずして、セックスの本当の快感を語ることはできません。

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。