愛撫（あいぶ）とは身体を優しく撫でたり、愛でること。元々は必ずしも性行為の準備として使われていた言葉ではありません。

ただ、性行為の前段階である「前戯」の内容として愛撫を行うことが双方の体の準備につながるため、愛撫自体が性行為の中での準備行為としての意味合いとして使われるようになりました。反対に言えば前戯は性行為の前段階を指しますが、愛撫はまさしく性行為の最中に相手の体に触れて刺激する行為も含みます。

前戯は身体の準備を行う為の大切な行為。その後の性行為の快感に大きく直結します。そのため、正しい愛撫のやり方と注意点を抑えることは、二人の時間を充実させ、心の結びつきを強めることにつながります。反対に、性行為の心理的・肉体的不安は、思わぬ心のすれ違いを生むこともあります。性行為で相手の負担を防ぐことは、正しく愛情を伝え合う上でとても大事なことです。

しかし、ラブコスメの調査では、男性がイメージする愛撫と女性が本当に気持ちいいと感じる愛撫にズレがあることなどが、アンケート調査などで分かってきました。相手のためを思いつつ、正しいやり方が分かっていないだけで愛情が伝わらなかったり我慢する必要が生まれてしまうのは、双方にとって残念なことです。

女性が本音で「体の芯から気持ちいい」と感じる愛撫の方法とは、どんなものなのでしょうか？ラブコスメが行った「パートナーからの愛撫」に関するアンケートの結果などから紐解いていきましょう。

愛撫とは、主に相手の身体の一部を撫でさする行為のこと。愛撫という漢字は、「あいぶ」という読み方をします。その名の通り、「愛する」と「撫でる」の意味を合わせたような言葉となります。具体的には、愛撫するとは「あなたのことを愛しているという気持ちを込めて撫でる」といった意味合いがあります。

セックスなどの性的行為の意味で使われることが多い言葉ですが、子供や動物を撫でるときにも使用されます。また、愛撫で撫でる場所に決まりはなく、肌や髪の毛なども触れる対象となります。

前戯は性行為の前に行われる身体的・心理的な準備段階のことを指します。愛撫のほかには、キス、ハグ、言葉でのコミュニケーションなどがあります。身体的には、男性が挿入できる状態になること、女性の場合は受け入れるための体の潤滑を促進します。心理的には、パートナー間の親密さを深め、リラックスした雰囲気を作り出します。

特に、ただ触れば準備が整うというわけではなく、気持ちいい触り方をして快感を得ることで初めて体の準備が整うということも忘れてはいけません。女性の体はとてもデリケートで、準備が整っていない段階で挿入をすると痛みを感じます。裂傷ができ、処女の破瓜出血とは違う理由で出血するのも珍しいことではありません。準備段階である前戯と、その手段である愛撫はとても重要なのです。

さらに愛撫自体も、ソフトタッチが基本となります。これは「撫でる」に、「手のひらを優しく動かす」という意味が含まれていることにも関係していそうです。激しい愛撫によって、デリケートな部分に傷を負うケースもあります。そうなればもちろん、快感どころではなくなってしまいます。

そのほかにも愛撫には、下記のような注意が必要です。

愛撫は多くの場合手や指を使って行います。爪が長い状態や、切ってあってもとがった場所がある状態だと、痛みを与えたり傷つけてしまいます。必ず短く切って、角がある場合はやすりで整えるようにしましょう。

また、衛生的な手で行うことも大切です。雑菌が入ると、愛撫が原因でデリケートな部分の傷が腫れたり、感染症にかかってしまう可能性があります。必ず触れる前に手を洗うだけでなく、フィンガーグローブを取り入れればより衛生的に愛撫を行うことができます。

これ以外にも、意図せず痛い愛撫につながってしまうことはあります。それを防ぐための方法については、下記の記事で紹介しているので確認してみてください。

また、行為前の前戯としての愛撫の場合、避妊にも注意が必要です。愛撫だけで挿入しないのであれば妊娠しないと考える人がいるようですが、そんなことはありません。男性が自分の性器に触れた後、女性の膣内に指を入れることで、精子が入る可能性は0ではありません。また愛撫に夢中になり、性器同士が自然に触れあってしまう可能性もあります。男性器を触れた後や、男性器が触れる場所には注意が必要です。手を拭くためのウェットティッシュを用意したり、勃起した段階でなるべく早めにコンドームを着用するといいでしょう。

愛撫以外の、前戯全体の注意点については下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

ラブコスメの会員向けアンケートで、女性に愛撫に関するアンケート調査を行いました。その結果女性は愛撫を好む人が多いものの、パートナーの愛撫に満足しているという人は約半数にとどまりました。では残りの半数はどのような点にズレを感じているのでしょうか。

アンケートの結果によると、コメントには「丁寧に愛撫されると愛情を感じる」「時間をかけて長く愛撫されたい」という意見が多く寄せられました。また、パートナーに愛撫されると単に快感による気持ちよさだけではなく、その快感が脳にも伝わり、心から満たされる様子がわかります。

しかし、パートナーの愛撫に半数以上が「満足している」一方で、「惜しい」「違う」と感じている女性が１５７名もいます。さらには、惜しいと感じていてもその指摘をできずにいる人も沢山いることが分かりました。

アンケート結果から見えてきた、女性が本当に気持ちいいと感じる、しっかりと体の準備が整う愛撫の仕方についてポイントを整理してみました。

まず第一に、どこに触れるかというのはとても大切です。性感帯は、刺激されると「気持ちいい」と感じる場所であり、愛撫をするときにはタッチしたいポイントです。女性が感じにくい場所の愛撫よりも、感じやすい部位を愛撫することで気持ちよくなり、体が敏感になり、そして絶頂へと続く快感へと繋がっていきます。

代表的な女性が愛撫を好む場所には下記の部位があります。

ただし、どの性感帯が心地よく感じるかは女性の個人差もあります。いろいろな性感帯を探って、気持ちいい場所を知っていくことが大切です。性感帯の位置については下記の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

反対に、気持ちよくない愛撫をまとめると下記のような形になります。

男性がついついやってしまうのが、愛撫での強いタッチ。優しい愛撫でも満たされるのに、アダルトビデオの影響なのか「激しい愛撫ほうが感じる」と考えている男性がいます。

そもそも、性感帯はデリケートで敏感な場所が多いため、強い力で触れる必要はありません。むしろ焦らされるような触れ方の方が、より快感が得られるという女性は多いのです。焦らしは「快感を求めたくなる気持ち」を徐々に高めてくれるもの。焦らされたあとに敏感な部分に刺激を受けると、いつも以上に大きな快感を得ることができます。

にもかかわらず、ガツガツとデリケートな部分を愛撫したり、すぐに下着を脱がせてしまう男性も一定数存在します。その行動は余裕のなさを感じさせますし、彼の勢いに女性側の気持ちが追いつかず、愛撫されてもくすぐったさを感じたり、痛みが生じることもあります。

そして、どんなに優れたテクニックを持っていても、毎回お決まりのパターンではマンネリ化してしまいます。「次は胸だな」「その次は服を脱がせるな」と予測できる流れ作業のような愛撫は気持ちを盛り下げ「気持ちよくない」と感じてしまうことも。

そういう時はアイテムを取り入れて、違う流れを作ってみるといいでしょう。例えばお風呂をローション風呂にすることができる入浴剤を使えば、普段と違った流れでラブタイムをスタートすることができます。

お互いがいつまでも新鮮な気持ちで触れ合うためにも、愛撫のやり方や流れにバリエーションを持たせることが大切です。

部位によって感じ方が大きく異なるため、気持ちよく感じる触れ方や強さも異なります。そこで、部位別の愛撫のやり方とコツをイラストを交えて解説していきます。

感じる部位の中でも、「耳が１番感じる」という女性は多いです。「好きだよ」「愛している」などの囁きと組み合わせることが、体だけではなく心まで満たされる愛撫方法です。耳の愛撫は囁きと吐息を組み合わせる方法がおすすめ。女性によっては耳を舐められるのが好きではない場合もありますのでご注意ください。

耳がくすぐったいと感じる女性もいるので、最初は「ここどう？」など指先で触れながら優しく聞いてみてから始めましょう。耳の愛撫は女性の聴覚を研ぎ澄まし、予想以上に想像力を高めます。また、耳の愛撫をしながら二の腕、脇腹など、皮膚へのボディタッチをプラスすると、初めは笑顔で楽しそうにしていた女性も、次第にどんどん興奮度が増します。

さらに詳しい耳への愛撫のやり方については、下記記事にもまとめてあります。脳イキするほどの耳攻めテクニックを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

首へのキスや首筋を舐められたりすると感じる女性は多いです。首をマッサージされると気持ちいいのと同じで、手で触るだけでも快感に繋がります。鎖骨から首筋、首筋から耳の裏などへと唇や舌で愛撫してみましょう。

首（首筋）も愛撫同様、吐息がかかる行為。唇と皮膚をピッタリとフィットさせたときの息遣いや鼓動を感じると、「愛されている」「大切にされている」という感情も高ぶります。ソフトな愛撫や首（首筋）へのキスをしながら、後ろからしっかり抱きしめてみましょう。パートナーは思いっきり深い愛と官能性を感じて、快感に浸ってしまうはずです。優しさと強さを組み合わせた首筋への愛撫で、女性をメロメロにさせてしまいましょう。

首筋の攻め方についてもっと知りたい方は、下記記事も参考にしてみてください。首筋から背中、お尻にかけて、上手な愛撫のやり方をまとめてあります。

女性は「頭をなでられる」行為にとても弱く、頭部や髪は重要な愛撫ポイントになっています。ヘアスタイルを気にする女性の髪への愛撫は注意が必要ですが、髪をぐしゃぐしゃにされる、じゃれ合うようなコミュニケーションは興奮することもあるので、ときには髪が乱れるぐらいの愛撫をしてみるのもいいでしょう。

恋愛漫画によく出てくる「頭ぽんぽん」同様、髪（頭）をナデナデされたり、髪を指で巻き付けて香りを感じたりなどのパートナーからの行為は、女性の胸を熱くします。また、刺激的なスキンシップやラブタイムよりも、髪（頭）に触れるしぐさを愛情を感じると好む人も。女性が緊張しているときは、髪（頭）への愛撫を増やして、心を解きほぐすと、リラックスしたラブタイムに繋がります。

胸（乳房）への愛撫の基本は優しく。激しく揉まれると痛い場合があるので、優しく揉みながら、女性が次第に興奮してくるのを感じましょう。乳首から先に愛撫するよりも、少し焦らすような形で、乳房だけを愛撫することをおすすめします。また、唇や舌を使って舐めることで、指先や手とは違った変化をつけた愛撫にするとバリエーションが増えます。

胸で十分に快感を得てきたら、乳首の愛撫へと移行しましょう。なお、乳首は下半身への刺激をしないで、乳首だけで絶頂を感じ、「イク」ことも可能と言われています。指で乳首をいじったり、唇や舌先を使って愛撫したりすることで、興奮が一気に高まってきます。いきなり強く攻めると痛い場合があるので、注意しましょう。

乳首の愛撫は長くじっくりと、しつこいくらいに丁寧に行うと、女性の潤いと「したい」「我慢できない」という気持ちが高まります。今までの乳首への愛撫のやり方に、違う方法（つまむ、つねる、はじく、甘噛み）などをじっくり取り入れてみましょう。さらに、セクシャルな言葉をプラスすると、さらにオーガズムは高まり、身もだえるほどのラブタイムが体験できるかもしれません。

乳首の攻め方次第では、女性を「乳首イキ」させることも可能です。乳首イキを体験するためには、オーガズムまでのメカニズムや上手な愛撫のやり方を知ることが大切となります。気になる方は、下記記事も参考にしてみてください。

クリトリスとは、女性器の中で１番外側にある特別感度の高い部位のことです。オーガズムに達するために、非常に重要な場所でもあります。クリトリスで感じられないという女性は、クリトリスを強く刺激しすぎていることもあるので、優しくソフトタッチから始めましょう。

女性が愛撫が上手い・下手と思うことは、クリトリスへの触れ方によって決まると言っても過言はありません。

クリトリスへの丁寧な愛撫は、愛液の量や激しいオーガズムに関わってきます。特に、中でイキにくい、感じにくい方でも、クリトリスならイク（外イキ）方もいらっしゃいます。丁寧に、優しく、ゆっくり、指先や舌先で触れるか触れないかくらいのイメージで、じっくりと行ってください。また、定期的に「ここは？」「気持ちいい？」などの言葉のコミュニケーションをプラスすると、パートナーの気持ちは高揚し、スムーズな挿入にも繋がっていきます。

クリトリス愛撫を行うと腟も潤い、指を挿入する準備が整います。十分に腟が潤ったのを感じたら、そこから指を入れて俗に「手マン」と呼ばれる愛撫へと移行していくといいでしょう。

指入れでの愛撫については下記の記事を参考にしてみてください。

お尻全体は感度が鈍く、愛撫をしてもそこまで感じない場合があります。手のひら全体でギュッと握ったり、揉んで揺らしたり、円を描くように手で撫でたりして、次の愛撫への期待を膨らませるようにしましょう。アナル周辺の皮膚は敏感な性感帯ですが、アナルを愛撫されることに抵抗がある女性も多いので注意しましょう。

男性と違い、女性には前立腺のような感じる部位がアナルにありません。そのため、女性がアナル愛撫で気持ちよくなるには、上手な攻め方を知ることが大切です。下記記事に女性がアナル愛撫で絶頂するための方法についてまとめてあります。ぜひ参考にしてみてください。

「彼に愛撫して欲しい」「パートナーにもっと長くして欲しい」と思っていても、直接言いにくいこともありますよね。さらに、パートナーからの愛撫があまり気持ちよくないとき、「そうじゃない」とどうやって伝えるのが良いのでしょうか？彼のタイプやお悩みのパターン別に対処方法をご紹介します。

愛撫の時間が短い場合は、アイテムを取り入れることが効果的です。例えばローションを取り入れることで、普段と違う感触でいろいろな場所を触れたくなる気持ちを刺激することができます。

万が一愛撫の短さによって潤いが足りていない場合も、ローションの潤いによって準備が足りていない体の負担を減らすことができます。

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またアイテムは、相手の愛撫が長くて負担だと感じる場合にもメリットがあります。アイテムを取り出すタイミングで、自分から相手に愛撫をする展開に変化させやすいためです。そろそろ自分への愛撫は十分だと感じたら、ラブシロップを取り出して「今度は私から気持ちよくしてあげる」と言いながら、相手の愛撫へと移行しましょう。

彼の指での刺激をいまいち心地よく感じられない、という場合はラブグッズを取り入れることが効果的です。ラブグッズの振動は多彩で、心地よく感じる強さが見つかりやすいでしょう。さらにそのグッズの手を自分の気持ちいい場所に誘導することで、彼に気持ちよく感じる場所を覚えてもらうこともできます。

「パートナーの愛撫がマンネリ気味」「もっと気持ちよくなりたい」という女性は、使うこと自体に高揚感を感じるベッド専用コスメを取り入れてみましょう。 『ラブコスメ　リュイール　ホット』は、入り口部分に塗ってマッサージすると、じんじん、じわじわ…熱い火照りと自然な潤いを感じられるラブコスメ。 普段とは違う乱れ方をするあなたを見たパートナーの愛撫も、情熱的に変化しそうです。

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なお、女性から男性向けの愛撫の方法についても詳しく知りたい場合は、下記の記事や動画で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

愛撫で心地よく感じる場所は人によって異なり、触れる強さの好みも様々です。まずは相手の体の準備と心地よさを最優先し、相手にとってのベストを探そうと寄り添う姿勢が大切です。

ただし相手の体を傷つけないことや、避妊の注意点はしっかりと抑えておく必要があります。相手の反応を見ながら、じっくり二人の正解を探していきましょう。