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膣痙攣(ちつけいれん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
その名の通り、膣周りの筋肉が痙攣を起こした状態を言いますが、例えば膣炎のように比較的症例が多い症状と違い、膣痙攣は実際の症例が紹介されることは滅多にありません。
また、性交時に膣痙攣を起こすと「挿入したペニスが抜けなくなるという特殊な印象」から、「2人が挿入した状態で、救急車で病院に運ばれてしまう」というような都市伝説的に少々面白おかしく話されているといった面があります。
しかし、実際にはペニスが抜けなくなる抜去不能はごくまれで、主に問題となるのは挿入ができなくなる方です。膣周りの筋肉の力はそれほど大きいものではなく、痙攣することでペニスが抜けなくなるという事象は医学的にも考えづらい、ともいわれています。
「ペニスが抜けなくなる」ということはあまり起こらないということは分かったのですが、しかし、膣痙攣は実際に起こり得る症状です。正しく理解し、知識をつけておくことが大切です。
今回は医師の髙橋怜奈先生の監修のもと、膣痙攣のしくみや治療法について詳しく解説します。
膣痙攣という言葉は知られているものの、その実態もあまり理解されていないのが現状です。具体的にどのような症状なのか、膣痙攣の概要を解説します。
膣痙攣とは、「膣の外3分の1の部分の筋層に、反復性または持続性の不随意攣縮が起こり性交を障害するもので、その障害によって著しい苦痛または対人関係上の困難が生じている」と定義されており、厳密に言えば、膣周りの筋肉が痙攣を起こすだけでなく、それにより性交時の挿入に障害が起きている状態、と言えます。
挿入したペニスが抜けなくなる症状と言うよりも、ペニスを挿入しようとすると跳ね返されてしまい、挿入ができないというような状態です。また、挿入の途中で膣痙攣が起こると、ペニスが締め続けられて痛く感じる場合がありますが抜けなくなるというまでは起こる可能性は少ないです。
膣痙攣の発症頻度ははっきりとせず、どれくらの女性が膣痙攣で悩んでいるのかはわかっていません。アメリカの国立保健研究所でも、膣痙攣自体は珍しい症状であるとしています。
膣痙攣では、性交の際、無意識に膣周りの筋肉が強く引き締まるため、ペニスの挿入で強い痛みを感じる、もしくは挿入自体ができなくなってしまいます。性に関するさまざまな障害を指す『性機能不全』の1つでもあります。
膣痙攣の特徴として一般的に語られることが多いのは「性交時の抜去不能」。つまり、挿入後に陰茎が抜けなくなる、というものです。その状態が衝撃的な印象を与えるため、膣痙攣=抜去不能という話が広まりやすいのでしょう。
しかし、実際には陰茎の抜去不能はごくまれで、主に問題となるのは挿入困難の方です。膣周りの筋肉の力はそれほど大きいものではなく、痙攣することで陰茎が抜けなくなるという事象は医学的にも考えづらい、ともいわれています。
膣痙攣は、性交経験がない人に起こる原発性と性交経験がある人に起こる続発性の大きく2つに分類できます。過去には性交が問題なくできていたのに膣痙攣を起こしてしまう続発性には、婦人科系の手術、放射線治療などが関係しているケースもあります。
その他、性交痛や夫婦間の不和などが起因することもあります。また、アメリカのウィメンズセラピー・センターは、閉経頃のエストロゲン量の低下が膣痙攣を引き起こすことがあるとも伝えています。
膣痙攣と混同されやすい症状に性交疼痛症があります。性交疼痛症も膣痙攣と同じく性機能不全のひとつですが、性交疼痛症はさまざまな原因による性交時の痛みが含まれています。
痛みの原因は婦人科系の病気から性的興奮が不十分など実に幅広く、膣痙攣もその原因のひとつになります。
性交経験がある女性にも性交経験がない女性も起こりうる膣痙攣。その主な原因とはどのようなものなのでしょうか。まずは膣の構造から知りましょう。
膣は子宮頸部から続く管状になっています。その大きさは長さおよそ8㎝、直径3㎝ほど。
上端には子宮頸部と接合されている膣円盤があります。膣内は基本的酸性に保たれ、膣内の常在菌が外部の病原菌の侵入から守っています。膣の周囲には大きな筋力をもつ筋肉は存在せず、例えば肛門のような強い収縮は起こりません。
膣痙攣は自分の意思とは関係なく起きてしまう症状です。先ほど、続発性膣痙攣の原因として婦人科系の病気や放射線治療、エストロゲンの低下で起こりうると紹介しましたが、原因がはっきりわからないケースも少なくありません。
実際には器質的な要因よりも心理的な要因が関係して引き起こされているケースが多いと考えられています。例えば、過去の性行為でのなんらかのトラウマや、性的虐待、無意識の性交恐怖などが考えられます。そのため、膣痙攣で受診した際、診察で病歴や過去の性行為の経験などを確認されることもあります。
膣痙攣で性行為がスムーズにできなくなると自分自身にとって心の負担になるだけでなく、パートナーとの関係にも支障をきたす可能性があります。膣痙攣を疑ったら、一度婦人科で相談してみましょう。医療機関では以下のような治療が行われます。
カウンセリング、性に対する教育
膣の構造や性交時の身体の反応といった性教育が施されることがあります。また、専門のカウンセラーとの話し合いなどもあり、パートナーとともに参加することも可能です。
膣拡張器での治療
医師の判断のもと、膣拡張器での治療が行われることもあります。円錐形の拡張器を膣に挿入し、拡張器で膣を拡げます。こうすることによって膣の筋肉を柔らかくします 。
ケーゲル体操
膣や直腸、膀胱をコントロールしている骨盤底筋を縮めたり緩めたりするエクササイズで、尿漏れの治療などにも取り入れられています。排尿後の膀胱が空っぽになった状態で、尿を切るようなイメージで骨盤底筋を縮めたり、緩めたりを繰り返します。
膣痙攣で仕方ないこととはいえ、性行為がうまくいかないと、パートナーの男性も少なからず傷ついてしまうでしょう。膣痙攣を乗り越え、問題なく性行為が行えるようにするためには、パートナーにも症状を理解してもらうことが大切です。自分だけを責めるのでなく、きちんと今後について話し合いましょう。
また、あらかじめ膣痙攣を予防するための対策グッズなども販売されています。膣痙攣対策だけでなく膣の引き締めや性交時のリラックスにも役立つので、パートナーとの性行為に悩んでいる方は試してみるのもおすすめです。
産婦人科専門医 ・医学博士。平成21年東邦大学医学部卒業。 平成21年国立国際医療研究センター国府台病院で初期研修。平成23年東邦大学大森病院産婦人科教室入局、平成28年東邦大学大橋病院婦人科、四ツ谷レディスクリニックで勤務
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません