この記事では、六本木ヒルズクリニックの 産婦人科医 一倉絵莉子 先生の監修のもと 女性の気になる妊娠後期のオナニーについてまとめてみました。
まもなく臨月を迎える妊娠後期では、高まった性欲を鎮めるためにオナニーしたくなることがあります。でも、お腹が大きくなった妊娠後期のオナニーは、赤ちゃんやカラダにも悪影響はないかな…そう不安に思われる方も多いです。
赤ちゃんともうすぐ会える喜びでドキドキしながらも、お腹が張ってカラダが思った通り動きづらいなど、最後まで気を抜けないのが妊娠後期。
臨月を迎えるこの大切な時期ですが、オナニーをしても出産に影響はないのでしょうか?また、妊娠後期にオナニーする場合の注意事項について確認していきましょう。
妊娠後期のオナニーは可能?
妊娠後期の定義とは?
一般的に妊娠8ヶ月~10ヶ月(妊娠28~40週)を妊娠後期と呼びます。カラダが出産に向けて準備を始め、より一層赤ちゃんが大きく成長を遂げ、赤ちゃんの胎動をお腹から感じることも増える時期です。

妊娠後期になると、出産準備のためお腹が張りやすくなり、胸やけや呼吸が苦しくなったりすることがありますが、妊娠9ヶ月頃から赤ちゃんが下がってくると、こうした負担は減っていきます。そのころから、また性欲が復活する方もいるかもしれません。
オナニーは基本的に体調が良ければ可能
妊娠後期はお腹が張りやすく、赤ちゃんへの影響など安全面が気になるところですが、基本的に経過が良ければ妊娠後期でもオナニーをすることは可能です。

妊娠後期は性欲が高まりやすい?
妊娠期間は性欲が変化する女性が多いと言われています。一般的に妊娠初期は消化器症状やつわりなどの体調不良だったり、流産の影響を心配して性欲は減退しやすいです。一方で妊娠中期から後期にかけて安定期に入ると性欲が戻って高まってきたと感じる方もいらっしゃるようです。

性欲には個人差があり、パートナーの考え方によって妊娠後期は性交渉の回数が減ることが多いです。そのような状況の中で、妊娠後期にオナニーがしたくなっても何ら不思議なことではありません。
妊娠後期や臨月にオーガズムに達しても問題がない?
妊娠後期や臨月にオーガズムを感じても特に問題はありません。オーガズムに達したり、乳頭刺激をすることで、ホルモンの影響で子宮がきゅーっと収縮しますが、収縮は一過性であることから、そのこと自体が赤ちゃんの出産に影響することは考えにくいです。
また妊娠後期であっても直接早産や陣痛に結びつくこともありません。

出産に影響がないとはいえ、子宮が収縮することでお腹が張ってしまったり、カラダの負担になることもありますので、乳頭刺激やオーガズムに達する回数は控えたほうがよさそうです。
臨月になってもオナニーは可能?
臨月は赤ちゃんが産まれてくる直前の時期。臨月になっても、妊娠後期と考え方は同じで妊娠の経過に問題がなければオナニーをすることは可能です。ただ、出血やお腹の張りに十分に注意してください。

ただし、よく考えればもう数日~数週間もすれば赤ちゃんは産まれてきます。時期的にもいつ陣痛が来てもおかしくない状態。カラダが気持ち良いと感じることも大事なことですが、出産した後にその楽しみをとっておくという考え方も持つようにしましょう。
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妊娠後期にオナニーをする際のポイント
【1】激しい一人エッチはしない
バイブなど大人のおもちゃを使ったり、気持ちよくなりたいからと言って激しく膣内を出し入れするようなひとりエッチは避けましょう。『これ以上はカラダに良くないかな?』と思ったら即中止が基本です。

妊娠後期のオナニーの回数は多くても週に1~2回程度にとどめましょう。あくまでも自分が妊娠中であり、赤ちゃんをまもなく出産する大事な時期であることを自覚して行うようにしましょう。
【2】清潔にする
当然のことですが、妊娠中は免疫力も低下しているため、衛生面は特に注意が必要です。衛生面をおこたると、膣から菌が繁殖した場合に何らかの感染症を引き起こす可能性が高まります。

膣まわりや手指を使ってオナニーをする場合は必ず洗浄したり、爪を短く切っておくなど、清潔な状態にしてからにしてください。また衛生面を考えてバイブなどの大人のおもちゃは極力使用を控えましょう。
こんな時はオナニーをしない
【1】お腹がはったり、出血がある時
妊娠後期はお腹が張る回数が増えます。就寝前にオナニーをしたい!と思っても、寝る前にお腹が張ってしまっている状態の場合はオナニーを控えて安静にし、張りがなくなり、落ち着いた場合のみにしましょう。

オナニーの際に出血した場合は、トラブルの可能性が高いので、行為を中止してすぐに婦人科に受診するようにしましょう。妊娠中の出血は子宮内や子宮頚管などで炎症が起きていたり、子宮筋腫などその原因は様々な理由が考えられ、一概にオナニーが原因とは考えられませんが、一度出血したら医師から経過良好の確認が取れるまではオナニーは禁止です。
【2】胎動が激しく、痛みがある時
赤ちゃんの胎動がお腹の張りと勘違いされることもありますが、胎動が激しいなと感じる時もオナニーをすることは避けましょう。

また、痛みを感じる際も先ほどの出血と同じで何等かの母体か赤ちゃんにトラブルが考えられますので、オナニーはしないで、医師の指示を仰ぎましょう。
妊娠後期のオナニーまとめ
定期的に産婦人科の検診を受けますので、検診の際に先生から経過良好と言われた際は、臨月でもオナニーをしても問題はありません。
性欲をガマンするよりも適度に発散することもストレスコントロールの一環として重要です。ただ、何か不安なことがあった場合はすぐに産婦人科の先生に頼れる環境を作るようにしておきましょう。

日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科で臨床経験を積み、現在は六本木ヒルズクリニックにて診療を行っている。(日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員)
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません