妊娠による体調変化と生理前症候群の違いとは
では具体的に、妊娠による体調変化と生理前の不調はどのように見分ければ良いのでしょうか?
生理前に起こるPMSは、個人差もあればその時々によって症状も大きく異なるため、「もしかして妊娠した?」と不安に思うこともあるかもしれません。そこで一つの判断基準になるのが妊娠の初期症状の有無であると言われています。
おりものの様子や体の調子がいつもと違うと思ったら、まずは冷静に自分の症状と妊娠の初期症状の特徴を比べてみましょう。
妊娠の初期兆候
よく妊娠の兆候として言われているのは突然の吐き気(つわり)と思われていますが、つわりは妊娠6週目前後(生理予定日の2週間後)に現れることが一般的で、生理予定日前に「妊娠の兆候」として表れることは稀です。
実際に妊娠の初期症状として多いのは、眠気、下腹部の痛み、味覚の変化など、多岐にわたっており人によって様々なようです。まれにですがこうした妊娠初期症状が全く出ることがなく、生理が来ないことで妊娠検査薬を使って妊娠が判明する場合もあります。
PMS(生理前症候群)
イライラしたり、パニックになったりする精神症状と、むくみ、頭痛などの身体症状があります。PMSも人によって症状の強さが違います。またその時々のストレスや生活習慣の乱れによってPMSがひどくなることもあります。
生理前のPMSと妊娠の兆候の見分け方は?
生理は出血が伴いますが、受精卵が子宮に着床したとき(着床出血)や、子宮外妊娠をしているときにも出血することがあります。また妊娠初期に子宮内膜の血管の破綻によって出血が起こることもあり、出血が止まらず病院に行ってみたら妊娠をしていたということも。
生理前の症状と妊娠した時の兆候の違いは、妊娠の初期症状の有無が大きな違いです。また生理前と少し異なるおりものが出ることがあります。卵白状のおりものが出た!という方もいれば少し茶色に濁ったおりものがでることも。人によっては全く変化がない場合もあるため、その場合は検査薬などで妊娠を確認するまで分からないことになります。
妊娠しなかった場合は通常減少する女性ホルモンが、そのまま分泌を続けることで、おりものの量がへらなかったり、逆に増えたと感じる方もいるようです。
生理前に性欲がアップしたら妊娠の兆候?
一般的に生理前は性欲減退期にあたります。これは女性ホルモンのエストロゲンが減少することに伴って起こる現象です。このエストロゲンは女性らしい健康的な体を作るのに役立つとともに、妊娠の準備や継続のためにとても重要なホルモンであるため、妊娠初期に増加します。
そのため、「本来性欲がなくなるはずの生理前に性欲が上がるということは、エストロゲンが減少していないのでは?」と考え、「妊娠の兆候かもしれない」と感じる方もいるようです。
しかし、生理前には性欲が増加するタイプの女性もおり、一概に「性欲増加は妊娠した可能性が高い」とは言えません。またストレスなどで排卵日がずれて、まだエストロゲンの減少期にきていないだけということも考えられます。