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この記事では、レディース&マタニティクリニック ザ 夙川 の 産婦人科医 高田優子 先生の監修のもと 女性の気になる 性病の感染経路と予防法 についてまとめてみました。
コンドームをせずに性交渉やフェラを行なったときに心配なのが性病への感染です。一般的に性交渉を通してうつると言われている性病ですが、性交渉をしたからといって必ずうつるというわけではありません。
また、性病というと、特別な人だけが感染する怖い病気というイメージを持つ人が少なくないでしょう。しかし、実際には性病はごく一部の人だけが感染する稀な病気というわけではありません。感染経路もさまざまで、誰でもうつる可能性がある病気です。
実際にどのような感染経路で性病はうつるのでしょうか?ここでは、性病がうつる原因と治療期間、予防法について解説します。
まずは、どのようにして性病はうつるのか?性病がうつる3つの原因をみていきましょう。
性病、つまり性感染症うつる主な原因は、性交渉です。性交渉での感染の場合、感染する場所は主に性器ですが、キスやフェラによって口からも感染することがあります。
性病に感染しているパートナーとの性交渉を通して自身の粘膜が性器に触れたり、分泌物に触れたりすることで、性病に感染するのです。
性病というと、風俗などを利用している人がうつるものというイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし、現代では性病は特別な人だけがうつる珍しい病気というわけではありません。
例えば風俗に行ったわけでも風俗で働いていたわけでもないのに、新しいパートナーができ、性交渉をしたら感染してしまったという人も多くいます。
相手に症状が出ていなくても、性病に感染しているとしたらうつる可能性があるのです。ほとんどの性病は自覚症状がないため、知らない間に感染している場合も少なくありません。
反対に、性病に感染していると知らずに性交渉を行ない、相手にうつしてしまったというケースもあります。
また、パートナーに複数の相手がいる可能性が絶対にないとは言い切れません。
不特定多数の人と性交渉をすると、相手に自覚症状がない場合、誰を通して性病に感染したのか、特定するのが難しくなります。
クラミジアは特に拡大しており、2018年で25,467人もの人が感染しています。いつ、誰から性病がうつってもおかしくない状況です。
コンドームを付けずに性交渉をすると、エイズ、クラミジア、淋病などの性病がうつる可能性があります。
菌やウイルスが「体液を通して感染する」ので、しっかりとコンドームを付けて体液が粘膜に付着しないように予防することが重要です。
体液というと精液や膣分泌液だけと思う人も多いですが、体液のなかにはカウパー腺液(がまん汁)も含まれます。
そのため、「射精時にだけコンドームを付ければいい」や「すまたなら大丈夫」というわけではありません。そのような行為でも性病には感染します。
相手の体液全般を自分の粘膜に触れないように注意する必要があるのです。
性病は、性器の直接的な接触によってうつるものですが、性器と口やの接触によってもうつります。つまり、感染経路としてはオーラルセックス(フェラ・クンニ)によってもうつるということです。
フェラで性病がうつるという場合、2つのケースが考えられます。1つは、感染が起きている性器に対してフェラを行ない、口腔内で感染が起きるというケース。
もう1つは、病原体が口腔内にいたため、フェラによって性器に感染が起きるケースです。
性器対性器以外の、性器対その他での感染例としては「顔射」も挙げられます。性器と口以外にも、目や鼻も粘膜が露出している部分になります。
性病感染者の精液が目に入り、目の粘膜から感染してしまうという経路です。結膜炎のような症状が出るともいわれているので、心当たりのある方は病院で相談するようにしましょう。
いずれにしても、自覚症状がある場合とない場合とがあり、自覚症状がない場合は、それと知らずに感染して、パートナーにうつしてしまうこともあります。自覚症状の有無にかかわらず定期的な検査が大切です。
オーラルセックス(フェラ・クンニ)によってうつるとされている性病には、淋病、ヘルペス感染症、梅毒、クラミジアなどがあります。
通常、性交渉が感染経路になってうつる性病ですが、性器からの体液に触れなければうつらないというわけではありません。唾液など性器以外からの体液を通して感染することもあるため、性交渉をしなくてもうつる可能性があります。
例えば、キス。唾液の中に病原体が存在すると、キスだけでも性病がうつることがあります。同様に、くしゃみや咳によって他の人の唾液が目や口に入ると、それによって性病に感染する可能性はゼロではありません。
また、エイズなどの性病は性交渉だけでなく、血液に接触することによっても感染することが分かっています。なので、性交渉をしなくても、唾液や血液が感染経路となって性病がうつることはあります。
キスでうつる性病には、性器ヘルペス、クラミジア、淋病、梅毒、B型肝炎などがあります。
注射の回し打ちや温泉の椅子など、性交渉やキス以外でもうつる性病もあります。エイズやB型肝炎などは注射の回し打ちで、梅毒やケジラミ症などは温泉の椅子などでもうつることがあるとされています。
トリコモナスも同様に、温泉、プール、便器、下着やタオルなどからも感染する可能性があるので注意が必要です。
性病が広がる原因として、性病に感染しても、すぐに自覚症状が現れるわけではないという点が挙げられます。自覚症状がないため、感染していることに気づかずに、周りにうつししまうのです。
性病に感染してから自覚症状が現れるまでの潜伏期間と、万が一、性病がうつった場合に治療にかかる期間をみていきましょう。
性病に感染してから症状が出るまでの期間を潜伏期間と言います。この期間は、性病に感染しているものの自覚症状がないので、性病がうつっていることに気づきません。
感染症によっては、一週間くらいすると自覚症状が現れるものもありますが、潜伏期間が数週間から半年以上にまで及ぶものもあります。潜伏期間が長いと、いつ感染したのか特定するのは難しく、感染の経路をたどるのも簡単ではありません。
性病に感染すると、自覚症状があるかどうかに関わりなく、性交渉やそれに類似する行為をする相手にもうつしてしまいます。性病は人から人へとうつるものですから、症状の有無に関わらず、定期的な検査をすることが必要です。
検査をして早期に発見することで、性病が広がるのを防ぐことができます。
性病の潜伏期間、また治療期間は、感染症によって異なります。それぞれの感染症の特徴と潜伏期間、治療期間は以下のとおりです。
~淋病~
潜伏期間:2~7日程度
治療期間:1週間以上
うつると、男性は排尿時痛や黄色の膿が出るなどの症状が出ます。女性はおりものの量が増える、不正出血がある、などの症状があるものの、症状が軽く、感染に気づかないケースも少なくありません。
~性器ヘルペス~
潜伏期間:3~7日程度
治療期間:症状によって異なる。(再発しやすいので、長期にわたって治療を継続することもある)
感染すると、男女ともに性器のかゆみや不快感、水疱などの症状が現れます。
~梅毒~
潜伏期間:3~7日程度
治療期間:2~3か月程度
感染すると、第1期では感染部位(性器・口腔内など)に赤色の硬いしこりができ第2期に入ると発熱や全身倦怠感などの症状と共に全身に発疹が現れます。第3期、第4期と進行すると、心臓血管系や中枢神経系が侵され、死に至ることもある感染症です。
~カンジダ~
潜伏期間:不定
治療期間:1週間以上
体内に存在する常在菌カンジダによって発症します。男性の場合は自覚症状がほとんどありませんが、女性の場合は外陰部のかゆみやおりものの増加などの症状が出ます。
~エイズ~
潜伏期間:3か月~10年
治療期間:薬剤開発中
感染すると、発熱や頭痛など風邪のような症状が出ます。ただし、発症するまでの間は、ほとんど症状がなく、感染に気づきません。進行すると、抵抗力が低下して、さまざまな病気を引き起こすようになります。
~ケジラミ症~
潜伏期間:1~2か月程度
治療期間:2~3週間程度
うつると、陰毛などの毛が生えている部分にケジラミが寄生します。自覚症状としては、陰毛などのかゆみがあります。
~B型肝炎~
潜伏期間:1~6か月程度
治療期間:2~3か月程度。ただし、慢性化することもある。
男女ともに、発熱や全身倦怠感、頭痛、吐き気などの自覚症状のほか、黄疸がみられることもあります。
~クラミジア~
治療完了後、検査で陰性の確認ができるまではうつす可能性があるので注意しましょう。
~淋病~
症状が全くなくなっても副作用がなければ、抗生物質は医師から処方されたとおり服用してください。治療後1か月くらいで症状がみられなくなっていたとしても、尿検査で淋菌の消失を確認してはじめて治癒したものと判断されます。
~性器ヘルペス~
治療後、皮膚症状が完全になくなれば感染の心配はありません。しかし、水疱や腫瘍ができている時はウイルスが皮膚に出て活動している証拠なので、これがかさぶたになってはがれ落ちるまでは性交渉などの接触は避けるべきです。
~梅毒~
梅毒の感染は、医師が検査で血液中の免疫(抗体)を確認して判断をします。感染した人の血液中には一定の抗体がありますが、再感染を予防できるということではありません。コンドームの使用やパートナーの治療など適切な予防策を講じておかなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。
~カンジダ~
治療完了後、症状が完全になくなるまで。再発しやすいので、年に4回以上再発するようであれば、治療法を見直すことが必要です。
~エイズ~
現時点では完治が難しい病気です。治療期間中に性交渉をする場合は、必ず最初から最後までコンドームを使用するようにしましょう。
~ケジラミ症~
治療完了後に医師により完治の確認をしてもらいます。退治できたと思っていても、卵の中に生きている虫がいることもあるので、顕微鏡で確認してもらいましょう。
~B型肝炎~
治療完了後、陰性が確認されるまで。ただし、慢性B型肝炎の場合は、生涯にわたってウイルスが体内に留まる可能性があります。なので、家族やパートナーなどにはB型肝炎の予防接種を受けてもらうようにしましょう。歯ブラシやカミソリなどの強要は避け、性交渉時にはコンドームを使用しましょう。
性病はうつると大変です。なので、感染しないように感染経路を遮断し、予防をしっかりと行ないましょう。性病を予防するために気をつけたいポイントは、次の3つです。
~性病を予防するために気をつけたいポイント~
コンドームを使用する
複数の相手と性交渉をしない
定期的に性病検査をしておく
唾液や血液によって感染する性病もあるとはいえ、ほとんどの性病は性交渉によって感染します。ですから、性交渉を行なう場合は、予防のためにもコンドームを使用するようにしましょう。
コンドームを使用すれば、エイズなどの感染を予防できるほか、100%ではないとはいえ子宮頸がんの予防にも効果が期待できます。性病感染への予防としてコンドームを使用する場合は、途中でつけたり外したりするのではなく、最初から最後までつけておくことが大切です。
複数の相手と性交渉を行なうと、それだけ性病がうつるリスクが高くなります。また、いつ、誰から感染したのか、感染の経路を特定するのも難しいでしょう。なので、性交渉をする場合は、複数の相手ではなく、特定のパートナーに限るようにしたいものです。
また定期的な性病検査も性病予防には必要です。基本的には自然治療が難しく病気は進行していくものなので、早期発見が症状の悪化を防ぐ1番の手段です。
そのため、症状が出てからではなく、症状が出る前に定期的に性病検査をすることがおすすめです。
定期的にクリニックに通うのはめんどくさいかったり、恥ずかしさがあるかもしれません。しかし、今や自宅でも性病検査ができる時代です。
誰にも対面することもなく検査が出来て、14時までに検体が到着すれば最短当日中に結果がわかります。(クラミジア・淋病の場合)
性行為の頻度に関わらず、誰もがなり得るものなので定期的な検査を心がけましょう。
性病になってしまったら、病院で適切な治療を受けるのはもちろんのこと、パートナーを含む他の人にうつさないように対策を講じてください。そうすることで、性病を広げないようにすることができま。
性病になったら、性交渉はお休みしましょう。治療が完了すれば性交渉ができますが、必ずコンドームを使用するようにおすすめします。これは、アナルセックスやオーラルセックスでも同様です。
また、治療期間中は、お風呂などでは自分が座った後の椅子をしっかり流すなどして、家族やパートナーにうつすことのないように注意しましょう。
唾液や血液によって性病にうつる可能性もゼロではありませんが、ほとんどの場合、性病は性交渉によって感染します。性病を予防したいなら、コンドームを使用すること、不特定多数の相手との性交渉を避けることを実行するようにしましょう。
性病は感染してから発症するまでの潜伏期間があります。自覚症状がなくても病院で検査をしておけば、早めにケアができるので安心です。
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※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません